🏢出版社:産業編集センター (発売日 ‏:2019/7/16)

 「コケ旅」へ行こう!/産業編集センター(編) 

コケの世界は、驚きの小宇宙。

神秘的で美しいコケの魅力と、
コケがつくり出す絶景が見られる「コケ旅」スポットをご紹介する1冊。

各地の代表的なコケや、そこでしか見られない貴重なコケの情報が満載!
それぞれの特徴や魅力を、美しいフルカラー写真とともに丁寧に解説します。
コケの生態や観察方法についての豆知識も大充実。

 

 

上差し

装丁:山際昇太、永井亜矢子(陽々

写真:清永安雄

編集:佐々木勇志、及川健智

ラブカバーのコケ写真の美しさに惹かれたキラキラ

帯が邪魔に感じるくらいカバー写真の、光り輝くような緑色に魅了された。

帯や中面のデザインも、コケの「美しさ」に焦点を絞ったら、より強力だったかも。

 

 

 

🏢出版社 :早川書房 (発売日 ‏ :2019/7/4)

 穴の街/ショーン・ブレスコット(著) 北田絵里子(訳)

カフカ、カルヴィーノ、安部公房の系譜を継ぐ、滑稽で茫洋たる黙示録。

 

作家志望の「ぼく」は、オーストラリア・ニューサウスウェールズ中西部の名もなき町に辿り着く。
間借りをし、スーパーマーケット〈ウールワース〉の商品陳列係をしながら、町の住人たちに取材をする。
客のいないバーを粛々と営むウェイトレス、誰も乗らない循環バスの運転手、人生に挫折し、一日中〈ウールワース〉を彷徨する男……。
あきらめと満足の中で無気力に暮らす人々。ある日、地面に突然大穴が空き、町は文字通り消え始める……。
不気味な雰囲気の中に諧謔と理不尽を詰め込んだ奇想小説。著者デビュー作。

 

 

 

上差し

装丁(日本語版):早川書房デザイン室

装画(日本語版):タダジュン

編集(日本語版):堀川 夢

ニヤリ暗く不吉なカバーイラストがなぜか魅力的で手に取った。

すると帯に「カフカ・カルヴィーノの系譜を継ぐ」とあり、購入を決意ラブラブ

下記の『実話怪談』以上に、暗く不吉なカバー。

でも、これはこれで突き抜けた存在感(ブラックオーラ的?)を放っていてよしグッ

 

 

🏢出版社:晶文社 (発売日 ‏ :2019/7/25)

 『少年奇譚』『少女奇譚』/川奈まり子(著) 

 

 少年奇譚                                

淡き懐かしい、少年時代。あの頃、すぐそばにあった
異界の扉がふたたび開く。これは恐い。
――朝宮運河(書評家)

 

妖し怪し異し世界に触れた少年たちの不思議な体験とは。
異能の奇譚蒐集家による実話怪談ルポルタージュ。

実話奇譚として蒐集された幼少期~成年前の体験談から少年たちが主人公になっている不思議な話を厳選して綴り明かす。
幽明境を異としない少年たちに襲い掛かる怪異の数々とは。

妖であり怪である、人とは異なる存在を「あやしい」と畏れながらあの者たちに魅了されてしまうのはなぜだろう。幼い日の息子が聞かせてくれるあやしい者たちの話を、どれほど私は楽しみにしていたことか。黄昏時、公園から帰る道すがら、不思議な存在に出遭った物語を聞きながら、妖や怪が棲む世界への憧れと郷愁を覚えずにはいられなかった。私がそこへ還るのは、此の世に永の別れを告げるときだとしても……(本文より)

 

 

 

 少女奇譚                                 

少女たちの声はどこか懐かしい。
閉ざされた家の抑圧、母娘の悲哀、細やかな筆致が、幼い記憶を鮮やかに喚起する。
文月悠光(詩人)

 

少女は少女であるがゆえに怪異に遭遇する。
異能の奇譚蒐集家による、実話怪談ルポルタージュ。

「女の子すなわち少女である」
怪異体験者たちの生身の声を綴り明かす実録奇譚集。
幼き日のあなただけに見えたもの、聞こえた声が再び鮮やかに甦る。

現代人の大半は、基本的に常に何事も合理的に考えており、たとえ悪いことが起きたとしても、誰かが自分を恨んで藁人形の五寸釘を打ったり、人形を用いる《厭魅》や動物霊を用いる《蠱毒》などの呪術を使ったりしている可能性には思い至らないものだ。では、たとえば思いがけない事故に遭って大怪我を負った直後に、自分の写真が貼られた藁人形のような呪いの証拠物件を突きつけられたら、どう感じるか?……

(「呪殺ダイアリー」より)

 

 

上差し

装丁:岩瀬 聡

装画:とびはち

編集:江坂祐輔

ニヤリ黒ずくめのデザインばかりあふれる怪談実話の世界において、ファンタジックな装丁と少年・少女という切り口を提示し、新たな読者を獲得しようという意気を感じる。体裁もデザインもすっかりパターン化している怪談実話ジャンルに、一石を投じるチャレンジだと思う。