椎骨、第1肋骨、前斜角筋(左のみ)、中斜角筋(左のみ)を表した教材です。このまま頸に装着することで、大まかな位置関係を把握することも可能です。
前斜角筋はC3〜C6横突起前結節から第1肋骨の前斜角筋結節まで、中斜角筋はC2〜C7横突起前結節から第1肋骨の鎖骨下動脈溝の後方突起まで付着しています。そして、前斜角筋と中斜角筋と第1肋骨の間を「斜角筋隙」といい、腕神経叢と鎖骨下動静脈が通ります。

過去の腕神経叢の説明と教材はこちら↓

実際はこんな位置関係です。
胸郭出口症候群は、前斜角筋もしくは中斜角筋の攣縮により、斜角筋隙を通る腕神経叢、鎖骨下動脈が圧迫を受け、上肢のしびれ、放散痛、脱力感などが起こります。
鎖骨下動脈は大動脈から分枝する太い動脈で、その後、腋窩動脈→上腕動脈→橈骨動脈・尺骨動脈と名前を変え、指先まで血液を行き渡らせます。この血管の圧迫により、動脈拍動の減弱やしびれなどが起こります。
腕神経叢は上肢に行く神経が束になったものなので、この神経の圧迫により関わる神経の支配領域に障害が起こります。

○筋皮神経が圧迫
前腕の外側半の放散痛
上腕二頭筋、烏口腕筋、上腕筋の脱力感

○正中神経が圧迫
手掌橈側(薬指を境)の放散痛
前腕屈筋群や母指球筋の脱力感

○尺骨神経が圧迫
手掌尺側(薬指を境)と手背尺側(中指を境)の放散痛
手内筋の脱力感

○腋窩神経が圧迫
上腕上部外側の放散痛
三角筋、小円筋の脱力感

○橈骨神経が圧迫
上腕下部外側、前腕後側、手背橈側(中指を境)の放散痛
上腕と前腕のすべての伸筋群の脱力感

斜角筋症候群かどうかを診るための検査法には、アレンテスト、アドソンテスト、モーリーテストなどがあります。これらのテストは斜角筋隙をさらに狭める動きをすることで、症状の発現・増悪がないかを診るものです。

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