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様々な感覚情報を脳に伝えたり、逆に脳からの運動指令を体のあらゆる場所に伝える通路を「伝導路」といいます。生理学を学ぶ際に苦手に思う方もいるはず‥‥。

今回の教材は少し大がかりですが、材料費はほとんどかかっていません!ラップフィルムの芯を軸にして、厚紙を階層式に取り付けただけのものです。ところどころに布を貼り付けたのは、触り心地と色を変えるため(布を貼っている場所が灰白質で、貼っていない場所が白質)。ここに紐(ニューロン)をつけることで様々な伝導路を確認することができます。

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今回は温痛覚の情報を伝える伝導路(外側脊髄視床路)について。受容器(自由神経終末)から中枢(大脳皮質中心後回の体性感覚野)まで情報を伝えるのに必要なニューロンは3本です。1次ニューロンを青いヒモで表現しました。1次ニューロンは受容器→脊髄神経節→脊髄後角まで情報を伝えます。

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そして脊髄後角からは2次ニューロンがその情報を引き継ぎます。2次ニューロンは黒いヒモで表現しました。まずは脊髄後角から始まり、

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交叉をして反対側の脊髄前側索を上行します。

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延髄も上行し‥‥

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間脳の視床まで行きます。長いですね。そしてここからは最後のニューロン、3次ニューロンが情報を引き継ぎます。3次ニューロンはピンクのヒモで表現しました。

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3次ニューロンは視床から始まり、内包を通り、最終地点である中心後回の体性感覚野まで情報を届けます。

今までの画像で見てもらったように、実は厚紙にはストローや穴があり、そこにヒモを通していく仕組みになっています。ヒモを通す場所を変えるだけで、今回の温痛覚以外の伝導路のルートを表現することが可能です。視覚に障害がある場合でも、ヒモをたどることでシナプスの位置やルートを何度も確認することができます。