NHKのニュース記事にこのようなものがあった。





WEB特集 男性のレイプ被害 HIVに感染も「被害を認識できなかった」 | NHKニュース







いたたまれない内容なので

性的被害のトラウマがある方は

今回読み飛ばしていただきたい。






私がこの記事で再確認したのは、


「ポルノに出てくる

 キャラクターへの

 作者の自己投影性の深さ」


である。





以下の記事抜粋を読んでいただきたい。




ある被害者の声


ダイスケさん(仮名)
「自分の中では非常に苦痛だったし、

自尊心を傷つけられることだったので、

本当につらい状況だったという

認識なんですけれど、体の反応としては、

快楽が得られたあとのような反応、

つまり、勃起して射精している状況だったので、

まったく自分の中でも理解できないというか、

自分の気持ちが本当に性行為をやめてほしかったのか、

それとも受け入れていたのか、

その辺が本当に混乱して。

体で感じた感覚と心で感じた痛みっていうのは

すごいかい離しているので、

非常に混乱したっていう感じですね」






これは、男性作家製ポルノに出てくる

襲われた被害者女性がしばしば演じる

「身体は正直だぜ」

状態そのものである。






このような構図は洋の東西を問わず

ポルノ物語の王道パターンなのだが、

読んでいていつも疑問だったのである。





いくらファンタジーとはいえ、

女ってこんな簡単に

気持ち良くなるか…?🙄と。





私が同じ状況に陥ったら

まず間違いなく

めちゃくちゃ物理的に怪我するし、

恐ろしくて声も出ないし、

心を許した相手とでも絶頂にまでは

達しないことなどザラなのに

強姦で絶頂に達するなんて

夢のまた夢ではないかと常々思っていたのだ。

(減るもんじゃねえ、などというが

 実際は大いに減るのである。)







で、ある日ハタと気づいたのが

「この被害者女性キャラクターたちの反応は

 男性が起こす肉体的反応そのものだ」

ということであった。






私が読んでいたのは


「女こうあれかし」という

男性側の願望でもあったが、


じつはそれ以上に


読者たる男性自身が

即、共感できるキャラ


ただそれだけだったのである。

レイプでも、心とは裏腹に

物理的に感じて絶頂に達してしまう性。


それは女性蔑視ではなく

男性自身の性の

投影だったのだ。


そう気づいた時の驚きを、私は今でも忘れない。






キョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロ







気づいてみれば、全てのポルノが

同じ構図でできていた。






女性作家描くBL作品に出てくる

男性キャラ達、あれも全て

作者である腐女子連の精神の投影であるし、

だからこそ女性読者は自身を易々と

彼らに同調・共感することができるし

彼らを依代として

精神的な快楽を得ることができる。






女性向けにしろ男性向けにしろ、

ポルノ作品は、

攻めと受け そのどちらにも

『読者と同じ性』

の視点を持たせているからこそ

読者は両方の視点を

同時に楽しむことができるのだ。







男性は定期的に、できれば手早く

「抜いて」スッキリしたい、

緊張状態を脱したいという生理を

持っている(見たとこおそらく)。

そんなとき、

共感しづらい心理ドラマなどを見せられたら

苦しくて困ってしまうだろう。







私も散々元夫の性のペースに振り回され、

酷い目に遭わされたりもした。

絶対的な腕力が違うので

感じた恐怖や屈辱も単純比較はできないが

元夫も元夫なりに

「世界の見え方の違い」

を表現していたのだな、と思ったりした。