観てきました〜。



以下、ネタバレありあり感想。
思いつくままに書きます。
主題(と私が思うもの)が
複数あり、かなり散文長文になるんで
記事を分けました。



なんつーか、モラハラDV学習の
総合問題集みたいな映画でした。




一回答例としての記事。








読み解き①
個人的自立から

セカイ系へと逸脱する

ジョーカー







 泣けたが没入はせず



主人公アーサーに、非常に共感はしました。
それも第三者としてではなく
アーサー本人としての共感を。



他者、いや他者どころか攻撃者に対しても
反撃するなど思いもつかなかった
激烈お人好し☆アーサーが、
ふと手にした銃をきっかけに
抑圧していた怒りを
攻撃者に対して真っ当に行使し始める…



まさに私自身の歩んできた道のりです。



まず、糞リーマン三人を射殺した時は
非常に胸がスカッとしました。
私、絡まれる女性の側の立場だったことも
多々あります。



『今まで僕の人生は悲劇だと思ってた。
 でも気づいたんだ、
 コメディだという事に』



これまさに

モラハラDV渦中の私が
現実に目覚めた瞬間に
号泣爆笑しながら
思ったことです。

あの瞬間、私はジョーカーだったよ。



優しく病弱な母が実は
とんでもねえ腐れ毒親であったことに気づき
窒息死させた場面。
あれも非常に重要な
大人の自立を表現した名場面でした。

アーサー、よくやった!
やっと一人前の男になったな!

と、私は嬉しさに心から涙しました。




また、都合のいい
ジャイアンみたいな元同僚を
ハサミで刺殺したシーン。
やや過剰にゴアでしたが、
あれも成長の過程だったと思います。



しかしその後
テレビの人気司会者まで射殺した時に
私の共感は途切れました。




あ、ここが分かれ目やんな、と。




確かに司会者のおじさんには
ネタとして嘲笑われましたし、
大ファンだったから
可愛さ余って憎さ一万倍ってのも
分からんではないのです。
が、アーサーが
「現実上の絡み」の無かった人間にまで
怒りを拡張させたあの瞬間に
私は気づきました。



アーサーに最後まで
胸を搔きむしられてしまう人ってのは
概念世界まで
己の現実の一部として
認識してしまっているタイプ
なのではないかと。
↑エヴァのシンジ君のお父さん、
つまりセカイ系ですね。



その優しさ故に、
初めは公開自殺で
人生の幕を引こうとしていた
アーサーは



憧れの人気司会者を前に
自らの存在と怒りを
カメラの前で爆発させ始めます。



↑ここがセカイ系ロジックへの転換点です。



その瞬間、
自分に向けられる筈だった銃弾は
自分に向かって常識を吐き続ける
人気司会者の頭の方を打ち抜きました。




うーん、こう書くと
論理的には正しいんだよなぁ。
訳のわからん綺麗事代表に
一発ぶちかましたわけだから。




でもね、肉体ひとつ撃ち殺したところで
世間の綺麗事は無くならんのですよ。
他者がいる限り
それは無限に湧いてくる。




それを物理的にやろうとするのが
ファシズムな訳で、
ご自宅で一人でやる分にはいいんですが
社会一般に拡大するとジェノサイドになる。




アーサーは、
映画全体を通して
雑誌、新聞、特にテレビという
メディアを媒介に
社会全体へ感染・拡大・炎上してゆく
「己の怒り」を目の当たりにして
社会における自分の存在と充実感を
初めて味わいます。



しかし、それはあくまでも
何も知らない世間が
勝手に盛り上がっていただけで、
アーサーが自分からヒーローになろうと
仕組んだことは一度もありませんでした。
個人的に一生懸命 行動していただけです。




私は途中まで
そこにある種の「好感」を
抱いていたわけですが、
かの司会者を殺すに至って
その共感は完全に途切れました。








🤡🤡🤡🤡🤡🤡🤡🤡🤡🤡🤡🤡🤡🤡







私にとっての現実とは
実際に会ったり話したり
触ったりできる範囲の
繋がりを持った物や人のことを指します。



その範疇にない物や人は
知識としては認識していますが
感情を動かされることは
ほぼありません。



私は元々そのような人間であったのですが、
長ずるにつれ
知らん人の知らん状況にまで
過剰に耽溺するような癖が付きました。
元夫への過剰な共感や理解なども
まさにそれでした。




私も もちろん
元夫の所業に腹は立ちますが、
それは殺したいという衝動ではなく
「こっち来んな見んな」
と、振り払いたい衝動です。
なぜなら、私にとって
モラハラDV趣味はあちらの勝手、
「知らんがな」ワールドのお話だからです。




で、ですね。




なぜ私が
絶望的に悲しく苦しく
泣きっ面に蜂、みたいな局面で
「オマエラみんなシネ!!!!!!!」
方面に行かなかったか、というと





理由は単純。




私は女で
根本的には
寂しくない
存在だから
です。





つづきます。