私は離婚以来、基本的に毎日変わらず
みんなにしっかりした食事を作っている。
離婚したのに居座って食わせてもらっているし
子供にちゃんとした物を食べさせたいし
自分自身も栄養を摂りたいからだ。


しかしこれがモラ尾君の頭の中で

「居座りにしおの 媚びちゅー

に変換されている可能性を鑑み、
本日夕食時にもうすぐ引越しする由伝えた。


その場に居合わせた子供はやや緊張した笑顔で
ついに出て行くん⁈ 遠くにひっこすん⁈
と、やはり子供らしい混乱をきたしていた。
違う違う、めっちゃ近所よ(笑)
遠くに行くわけないじゃん爆笑と説明したが
現物を見るまではイメージが湧かないだろう。


私が狭い安い部屋を借りたい件に関しては
あちらももう認める方向の体である。


引越しが伸び伸びになっちゃっててゴメンね。
でもやっと、予測よりかなり早く
仕事に出れそうなんだ。
お金はクレカでどうにかするから大丈夫。
狭くて子供がかわいそうっていう
モラ尾君の意見はもっともだよ。
そこは申し訳ないんだけどさ、
ほら、一人ずつ泊まって
じっくり向き合うのとかもイイじゃん?


するとモラ尾君


…それは合理的じゃないよ。
週のうち4日はこっち、3日はそっちみたいに
きちんと分けるのが 状況把握に一番だし、
ナイトアウト(夜の外出)の予定も
立てられない。


そんなのその時々で連絡し合えばいいじゃん。
ていうか、子供の気持ちを最優先すべきでしょ(天下の印籠)。


アメリカの離婚家族の常識では…


あたしアメリカ人じゃないから…。


うん、今この話はやめよう。








モラ尾君。
私は今、無一文の四十女だ。
10年間で私が捧げた全ての成果、つまり
親権を、家を、仕事を取るということが
どのような意味を持つのか
君が知るのは今からだよ。


親権を取ろうが取るまいが
私は私と子供の必要に応じて
子供と関わり続けるだろう。
いざとなれば私は
君を潰すのに充分な量の
DVその他ネタを保有している。


無料ベビーシッターの私が
君のナイトライフをサポートするとでも
思ったかい?

違うね。

これから子供を預けて
外に働きに、または夜遊びに行くのは君、
この私の方なんだ。


ベビーシッターは君が金で雇い給え。
アメリカ人なのだから。
貧しい私は働かねばならぬ。実際生活苦だ。
子供を預かりたくても
預かれない日が多々出てくるだろう。
それは誰にも責められないことだ。


何せ君は全てを手に入れた。
君の感じてきた通り
私の方こそが加害者なんだぜ?


私が消えるとまず君の庭の木が、花が、
枯れ始めるだろう。
どうしようもなく伸び荒れ果てて
興味のない君は
バッサバッサといびつに切るか
捨てるかしかできないだろう。


私はあの庭を愛し それに支えられて来た。
が同時に、いつもそれを捨てる日のことを
覚悟してきたのだよ。


日本人の母親は子供に執着し私物化する
日本人の女は 家と家事と
母親業にアイデンティティの基盤を置く


そんな女ばかりではない事を
君はその身をもって知るだろう。


子供の守り方は、一つではないのだ。
子供は君が 大、大、大好きだ。
思う存分、守ってやってくれ。






さて、私はひたすら敵意と取られぬよう
身綺麗に
笑顔で
おだやかに
茶目っ気たっぷりに
波乱も予測しつつ
最後の仕上げをしていくことにしよう。