二人共 午前中に
車で出かけたい場所があったので
二人で乗って出た。


行きがけ、モラ尾君は相変わらず
非常に興奮した早口で 世の中に憤慨していた。
これは10年前からずっと変わらない主張である。


ケムトレイルや ビッグブラザー
食品や環境の汚染に 予防注射に隠された毒
メディアによる人心支配
支配階級による忌まわしい悪魔的儀式
真偽入り混じっていると私は思うので
その主張自体は面白く聞く。


でも、聞くと凄く
嫌な気持ちになる。
その場に居たくない。


つまり、私は彼の話す内容よりも


彼が思考の燃料にしている
感情そのものが嫌いなのだ。


私も散々あちらを潰してきたので
今は彼も感情的に
かなり譲歩しているのが分かる。
私も全く問題なく流せるが
そのためにはこちら側の感情調整、
つまり感情労働が発生している。
しかも結構な労働量であると感じる。


一方あちらは
過去を切り離す術に長けており、
私がどんなにキチガイ染みて荒れても
夜には股間を膨らませて
愛してるよの1つも口にできる。
これが私と彼の大きな違いだ。




キョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロ




私も一度は加害者になった身であるから
意識的になら切り替えできる。
でも、やはり嫌だなと感じるから
離婚になったと思う。
感情労働に見合った報酬を受け取っていない。
向こうも同じように感じたから
分離が進んだのだろう。


自分の気持ちばかり書いたが、
やはり子供の事は一番に考えた。
説明は難しいが、だからこそ全権渡しをした。
加害者たる者
その責は自ら負う。


今現在、私はガンジーの言った

敵を許すことができるのは
その敵より強くなった時だ

という言葉に到達した感じがしている。


この場所に来たくて私は加害者になった。
加害者になって   逃げ場を無くして
自分で自分を追い込んで始めて
私は私の人生の責任を
私にできる限りの範囲で取った。


もちろん理論的には 
正義と同じく 自然界に責任など存在せず
あくまで人間による仮想概念に過ぎないのだが、
私の内面には明確に存在している。




真顔真顔真顔真顔真顔真顔真顔真顔真顔真顔真顔真顔




モラ尾君は精神的弱者であり
私が与え 彼が掴みとった社会的強者の立場も
私が本気を出せば いつでも潰す事が可能だ。
子供の不利益になるから しないだけだ。


強がりではなく、哀れみでもなく
モラ尾君は単純に
精神と脳器質に
ハンディキャップを
負っている人だ。


私はその彼を好きになり、
健常者になってくれ!と
願い続けていた。
こう書くと、これが如何に傲慢で
無茶な望みだったかがわかる。


その無知による傲慢さに気づいた後は
腹を括って代理母になり
ひたすら療育に励んだわけだが、
代理母を死ぬまで続ける気力は 私にはなく
それはつまり彼にとっては
愛の終わりであった。


そのままの彼を死ぬまで愛し
側に居てくれる人が彼には必要なのだ。


世界は広いし、彼も彼なりに育った。
あとはなるようになるだろう。




うーんうーんうーんうーんうーんうーんうーんうーんうーんうーんうーんうーん




車から降りしな、
私は私の将来への不安を話した。


今何にも持っていないから、
頑張って働いて
葬式代くらいは残して死にたいなぁ。
お金がないのは頭が無いのと同じって
本当だね、とボヤくと


歳上のCEOみたいな奴と再婚して
また家族をつくればいいじゃないと言う。


そうだねぇ、でも私なんだか
人間と付き合うのにくたびれてるなぁ今
と言うと


それはあなたの
物事の受け取り方のほうの問題だと思うよ。
受け取り方を変えるべきじゃない?
とアドバイスされた。


なるほど離婚しか無かったのだなぁと
改めて荷を下ろした気分であった。