子供のクラスメイトに、
クマガイ君という少年がいる。
ある日、


あーあ、今日はサイテーだった! 


帰ってくるなり子供が言うので、
どうしたのかと尋ねると


下校んときにさ、
ヨシダ君に一緒帰ろって言って
ヨシダ君もウンって言って、
並んで歩いてたら
後ろからクマガイ君が

俺がヨシダの隣を歩くんだよ
ニシオはどけ!

って言って
ドカーン!って突き飛ばされたんだよ。


あらそりゃあ激しい子だね。
ていうかクマガイ君、ヤバくね?


うん。クマガイ君いっつも喧嘩してるし、
押すし、騒ぐし、先生に怒られてる。


あれ?もしかしてクマガイ君て
授業中床に寝転んだりする自由な子だっけ?


違うそれはササキ君だよ。
ササキ君は乱暴しないよ、
時々脱走するだけで優しいよ。
クマガイ君は脱走はしないけど
いつも騒がしくて喧嘩する子。
でもクマガイ君さ、すぐ泣くんだよ。
この前なんか、どけー!とか言って暴れて
椅子に引っかかって自分で転んで泣いたんだよ

こんな風に


ヒィイイ〜〜〜〜〜〜〜〜ン!
ヒィイイイイイイイイ〜〜〜〜〜〜ン!


犬が寂しがるときみたいな声だった。



クマガイ君には悪いが
もうここで私のツボにはまりまくって
笑いがしばらく止まらなかった。


子供も、


クマガイ君には失礼だけど
自分もおかしくて笑っちゃった。
でも乱暴なんだよ!すぐ泣くのに!


と言って憤慨半分、失笑半分の体であった。




ぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶー




それ以来、
「今日のクマガイ君はどうだった?」
と聞くのが私の平日の日課である。