これは知人と話していて気づいた事。

きちんとしているが化粧っ気はなく
ボーイッシュなショートカットに
いつもシャツにパンツスタイルの
その知人の口癖は、

私、要領いいだけなんですよ
私、全然女らしくないから

だ。

実際は、物凄い努力家で良い大学を卒業して
立派なキャリア持ちの
優しい顔立ちをした女性である。

自信が無いわけでは全然ない。
明るく楽しく朗らかなのに なぜか
自分を卑下する言葉がたくさん出てくるのだ。

高学歴キャリアの女性が
他人の嫉妬を回避するためによく使う、
謙遜の防御壁とも趣を異にしていた。


話を聞いていると、どうもその口癖のルーツは
彼女の母親にあるようだった。

二つ歳下の妹さんを溺愛していたその母親は、
事あるごとに妹さんの容姿を褒め
知人さんの事は無視していた。


「お前にはこういうヒラヒラしたのは似合わないね。姉妹なのに全然タイプが違うもんだね」
「お前はいつもヘラヘラふざけてて、お調子者で要領だけはいいんだから」


知人さんは母親の関心を一心に集める妹さんを
羨ましく思っていたが、同時に
無関心からくる自由も享受していた。

一方妹さんは、母親の注目を手にしてはいたが
自由の全くない、母親の理想の人形として
生きていたようだった。

写真を見ると、知人と妹さんは
顔立ちも、雰囲気も、よく似ているのだ。

すぐ、彼女の自己イメージは
母親からの刷り込みでできたんだなと
理解できた。



ふとした無意識の親の言葉が
子供の自己イメージをこうまで規定する。

世の中には、ご自分の脳内イメージを
現実を無視・歪曲しまくって
ネガティヴに規定している人が沢山いる。

太ってる。痩せすぎてる。汚い。臭い。
頭が悪い。グズグズしている。
目つきが悪い。暗い。イライラさせる。
化粧なんからしくない。
スカートやロングヘアが似合うわけはない。


そんな自分が変われるわけはない。



自己イメージには、必ずルーツがある。

気の持ちようなどという精神論ではない。
自分自身のリアルな肉体を
私的感情をまじえず、完全に第三者の視点で
見直してみる事は、モラハラ禍から抜け
自分自身の人生を取り戻す際に
絶対に避けては通れない作業だ。


らしい・らしくない

というのはただのイメージ。トラップだ。

やりたい・やりたくない
やるべき・やめておくべき

というのは現実。リアルな選択の話になる。

この二つを混同してしまわないことが
イメージ改変のコツだと思う。