攻殻機動隊、ついに実写化ですね。
素子役はスカーレット・ヨハンソン。
トレーラーで見た限りは
なかなかハマってました。


攻殻機動隊の世界では
ほぼ全ての人間の脳は電脳化され
常時ネットと繋がっています。
記憶や体験の書き替えも、
ハック技術があれば自在に出来てしまいます。
肉体だけでなく精神や記憶すら
完全置換や創造が可能な世界。


つまり、ロボットの肉体に完全コピーされた
精神を持つ個体は、人間なのか機械なのか
生きているのか 死んでいるのか
説明できなくなってしまっているのです。


個の意識の境界線など とうの昔に消失。
肉体の独立性も無い。


ロボットと人間、死者と生者、他者と自己


すべては同じことに過ぎないという事実を
「ゴースト(魂)」の有る無し
というファンタジーで、
どうにか凌いでいる人々。


全ては繋がり
生と死すら消失したにも関わらず


そこにあるのは、絶望的なまでに孤独な
寒々とした空間だけです。
その世界は、自己を延長し続け
境界線を徹底的に侵食しようとする
孤独なモラの心象風景そのものであるように感じます。


主人公の素子は、その広大で無限で空虚な世界で
自己とは何か、自分はどうありたいのかを問い続けます。


モラ夫の妻となった私たちは、
もしかしたら全員
少しずつ素子なのかもしれません。