ケニヤで育ったオレははっきりいって腕白坊主だった。
帽子を逆さにかぶって、鼻先に絆創膏を貼る様な悪ガキだった。
食えそうなものはなんでも試したし、やった事ない事はこっそりと、だが率先してやるようは悪ガキだ。

石を投げてマンゴーの実をおとす。
青いマンゴーは一味のようなスパイス(ピリピリと呼ばれる)と塩で食べると、ピクルスのような味になる。

マンゴーにも飽きてきた頃、従兄弟が厚着をして、どこかへ出掛ける日があった。
どうやら蜂蜜をとりに行くらしい。
オレは無理やり事情を訊くと、すぐに家に戻りこんなこともあろうと用意していた武器を手に取った。

裏庭の枝と毛糸で作った弓だ。
当たる訳がない。

弓矢を諦め次の武器を手にする。
パチンコだ。
当たる訳がない。

それを放り投げ次に手にしたのは
新聞メリケンサック、木剣(ただの太い木の枝)
蜂を相手にするには命中率に欠ける。

そして何を思い立ったか木剣に毛糸をくくりつけ、ひらひらと降ってみる。
攻撃力はなさそうだ。
それはそうだ。
毛糸なのだから。

そこで、毛糸の先に石をくくりつけ、石を振り回すというモーニングスターのような武器を完成させ、共に蜂の巣へ向かおうとしたのだが。

「つれてく訳ねーだろ!そんなんでどうやって蜂から身を守るんだよ!?」

前方でくるくる回してプロペラの様にガードを図りながら
「こう?」
「帰れ!!」