こんにちは。

大田区の行政書士谷田です。

 

2024年4月1日より、親子に関わる法律の一部が改正されています。



【嫡出推定に関する改正点】


嫡出推定というのは、「生まれた子の父は誰か」ということを、早期に確定する制度のことをいいます。

子どものお父さんがいつまでたっても決まらないと、子どもの立場は不安定になってしまいますよね。ですので、嫡出推定という制度によって、父を早く決めることで、子の利益を図っているのです。

嫡出推定に関しては、次の通り改正されました。

【従前の規定】

① 女性の再婚禁止期間 100日

② 婚姻後200日以内に出生した子は、その婚姻の夫の子とは推定されない

③ 離婚後300日以内に出生した子は、前の夫の子と推定する

【改正後の規定】

① 女性の再婚禁止期間が撤廃されました 

② 婚姻後に出生した子は当該婚姻の夫の子と推定されることになりました。つまり、離婚から300日以内に生まれた子でも、母が前夫以外の男性と再婚した後に生まれた場合は、再婚後の夫の子と推定されることになります。

(個人的には、前の夫との関係が悪化して離婚し、違う男性と再婚する、という実態に合っているな~と思います)

嫡出否認制度に関しては、


【従前の規定】では、

① 嫡出否認の申立てができるのは父のみ

② 嫡出否認の訴えの出訴期間は1年

 

でしたが、

【改正後の規定】では、

① 嫡出否認の申立権者が、父に加えて、母・前夫(嫡出推定が重複し、後夫の嫡出推定が優先される場合)に拡大されました。

② 出訴期間も、原則3年、子については一定の条件のもと21歳に達するまでに延長されました。

ちなみに、改正法の適用範囲は、原則令和6年4月1日以降に出生した子についてですが、経過措置として、令和6年4月1日から令和7年3月31日までの申立てに限り、令和6年3月31日以前に出生した子であっても、母及び子は申立てできる、とされています。

詳細は法務省のHPを参照ください。

法務省:民法等の一部を改正する法律について (moj.go.jp)

 

 

こんにちは。

大田区の行政書士、谷田です。

 

ずいぶんと久しぶりに戻ってきました。

 

 

最近のマイブームはサバラン。見つけたら必ず買う

 

離れているあいだに、民法等の改正に大きな動きがあったので、これは書かなくちゃと。

今後少しずつ過去記事を改定していこうと思いますが、皆さまには、「すべての記事は、掲載段階での法律に基づいて記載していること」をご理解いただけますようお願いいたします。

 

私は一貫して「養育費を決めてからの離婚」を推奨しているのですが、養育費に関しても、今後大きな改正がみられます。

 

法務省民事局では、家族法制に関わる民法等の一部改正が進められてきました。この検討は、令和3年3月の第1回会議にはじまり、数年に渡って行われており、令和6年3月に法律案が閣議決定、令和6年5月に成立・交付となりました。今後、公布から2年以内に施行予定です。

(※令和6年7月15日現在、新法施行前です)

 

改正にあたり、検討内容のひとつが養育費でした。

このブログでも言及しているとおり、離婚時の養育費の取決率が低いことが課題でした。

そこで、新法では、養育費の取決めをしないで離婚した場合でも、「法定養育費」として一定の養育費請求権を認めること、その権利(養育費債権)に先取特権を付与すること、としました。

 

これにより、新法施行後は、養育費の取決めがない場合も、養育費請求が可能になります。また、公正証書や調停調書等の債務名義がなくても、差押えが可能になります。

 

ただし、注意すべきは、その金額です。

調停や審判で決められる金額と、法定養育費の額では、人によっては大きく違う場合が考えられるでしょう。

通常の協議や家庭裁判所の調停・審判では、双方の収入を「養育費算定表」に当てはめた額を検討のベースとしています。つまり、双方の収入状況に応じて、裁判所が決めた「払いすぎずもらい過ぎない」妥当な額を考えていきます。

それに対して、改正法での「法定養育費」は、「父母の扶養を受けるべき子の最低限度の生活の維持に要する標準的な費用の額その他の事情を勘案して子の数に応じて政省令で定めるところにより算定した額」とされています。つまり、双方の収入は勘案されず、子の年齢(14才以下か15才以上か)とその人数に応じて一律に支払われることになるのではないかと思います。

 

そして、もうひとつの改正点である先取特権について。

先取特権というのは、他の債権者を差し置いて、債務者の総財産から、債権回収を先取りできる権利のことをいいます(詳しくは省略)。

「法定養育費」に先取特権が与えられることで、法定養育費は優先して回収できる、すなわち先取特権にもとづいて差押ができるようになります。

ちなみに現行では、養育費に先取特権がないので、差押えをするには債務名義が必要です。そこで、離婚の際に公正証書等を作成しなかった場合は、家庭裁判所で作成する調停調書や審判書等の債務名義を得る必要があります。この調停の手続きが、時間的・精神的負担になっています。

新法施行後は「法定養育費」の請求に関しては、債務名義は必要なし、ということになります。

なお、請求された側は、「支払能力を欠くためにその支払をすることができないこと又はその支払をすることによってその生活が著しく窮迫することを証明したときは、その全部又は一部の支払を拒むことができる」とされています。

 

ちなみに、義務者がサラリーマンならその給料を差押えることが多いです。一度差押えがされると、その差押えが解除されるまでは(養育費の終期までずっと)、義務者の毎月の給料は、養育費分が差し引かれた金額が振り込まれることになります。

 

以上、「家族法制の見直しに関する要綱案」についてでした。

詳細はこちらを参照ください。

法務省:「家族法制の見直しに関する要綱案」(令和6年1月30日) (moj.go.jp)

 

新法施行後も、公正証書による養育費取決めの必要性は変わりません。

また、各自治体による養育費確保のための積極的な支援は、ますます拡大しています。

離婚の際の取決めについてご質問がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

 

「谷田あやの行政書士事務所」 で検索くださいね。

 

こんにちは。

大田区の行政書士谷田です。

 

ただ今、家族のひとりが試練に立ち向かい中。

悔しさや歯痒さに、私も心がぎゅっと握りつぶされるような気持ちを抱えています。

もう、こんなときは甘いもの!

お腹は空いてないけれど食べちゃう!とばかりに、連日何か食べてます。

これは公証役場のついでに、シビタスのホットケーキ@蒲田。

 

 

食べ過ぎてお腹が苦しいけど、それよりも気持ちのほうが苦しいかな。

でも、本人ががんばっているんだから、親がこんな調子ではだめだめ〜

 

ふと、あるお客さまのことを思い出す。

彼女は「子どもの笑顔が私の幸せです!」といいながら、障害のあるお子さんのために日夜走り回る生活。

お子さんの急な発作にいつでも対応できるように、自分のことを後まわしにし続けること20年以上・・・。

「〇〇さんの笑顔も、お子さんの幸せですから!ご無理のないように」と声をかけると、「ありがとうございます!!!!」とおっしゃっていました。

 

いくつになっても、子どものことは心配だし、子どものためなら何でもしてあげたい。そして、家族みんな笑って過ごしていたい。

 

(おまけ)保育士試験の結果。

 

「親なきあと」に関わっているのに、社会福祉を落とした…。次回がんばります

 

 

離婚協議書・遺言・「親なきあと」のご相談

谷田あやの行政書士事務所

07032261026

 

 

大田区で行政書士をしている谷田です。

 

ただ今、家族信託を勉強中。

 

 

図書館で借りてきた本たち。これでざっと勉強してから専門書に進みます。裁判所合同庁舎地下の書店で買うと割引ですよ(一般の方も入れます!)

 

例えば、母一人・障害のあるお子さまひとり、のご家族。お母さまはすでにご高齢。

今はお元気ですが、将来認知症になったときのことを考えると不安。

そして、お子さまには、金銭面も含めて将来にわたって幸せに暮らしてほしい。

 

そんな願いをかなえるひとつの手段が、家族信託です。

平成19年(2007年)の信託法改正で、一般の人にも使いやすくなったのをきっかけに、認知症をふまえた財産管理のひとつとして活用されています。

 

そうはいっても、遺言書ほどのポピュラリティを獲得していない理由のひとつは、制度の複雑さ。

家族信託に詳しいのは、士業でもほんの一握りと言われています。

家族信託は完全オーダーメイド。設計のコンサルティングがしっかりできる専門家に相談してくださいね。

 

私はただ今、家族信託にとても詳しい方の案件に関わらせていただいています。

ご依頼者さまの想いをかなえるためには、どういったプランがよいか。

そのためにはどんなことを検討して、どんな提案をするのか。

とても勉強になります。

 

「親なきあと」対策、認知症対策には、遺言のほかに家族信託もご検討くださいね。

 

 

大田区の行政書士谷田です。

 

今日は母の日。

母・弟と一緒に、鎌倉に住む叔母と会ってきました。

 

 

老舗の鰻屋さん!

 

白玉もちもち。

 

叔母は元気にひとり暮らしをしているものの、四捨五入すると90歳、いつ何があってもおかしくない。

 

実家の母も後期高齢者に仲間入り。今日は会えなかった父も、帰省するたびに小さくなったなあと感じます。

 

次回は子どもたちも連れて行こう。

 

ところで、

介護ソフト「介護の翼」の(株)ロジック主催のセミナー、今まで2回担当させていただきましたが、

次回が最終回です。

 

介護職員必見!個人情報保護 研修セミナー<第3回>情報漏えいを防ぐためにやるべきこと(後編) | 介護事業向けICTシステムのCare-wing

 

今回初参加、という方には、今までの動画をお送りしているそうです。

介護に関わる皆さま、いかがでしょうか。