炭の話 | 大ざっぱなO型キャンプ

大ざっぱなO型キャンプ

2023年の夏、2拠点生活の長野でキャンプ再デビューしました。

薪と違ってじわじわと長時間熱を出してくれる炭ですが、「燃えた木なのになんでまた燃えるんかい?」と思いながらも「まぁ、炭っちゃあそんなもん」と深く考えたことはありませんでした。

 

C+O2=CO2 というのが「燃える」ということになります。細い木などにマッチやライターの炎を当てると、薪のままの時よりも細い分容易に温度が上昇して水蒸気と、メタン、エタンという可燃性のガスが出てきます。これが「煙」のことで、最近よく言う「2次燃焼」とは、本来煙として逃げて行ってしまうガスを高温の空気で燃やしてしまう仕組みをもった器具で燃える現象を言います。DODさんの焚き火台にも2次燃焼をさせる空気の通り道を設けたものがあります。箱の下で燃えている薪から燃えきらなかった燃焼ガスが上に逃げていきます。同時にケースの側面に設けられた空間に沿って薪で温められた空気が上昇して上から吹き出します。その熱い空気の熱によって、逃げていくガスが再び燃えるわけです。普段は煙として逃げていくガスも燃えるので燃焼効率が良いわけです。アルコールストーブも同じ理屈です。

 

 

 

 

 
 
 
 
 
 
 

 

煙となって登っていくガスの他に、問題のCO2が炭素と酸素が結びつて生成されます。そのほかには、木材に含まれる成分、カリウム、マグネシウム、などが酸素と結びついて「灰」となって残ります。これが焚き火をするときに起こっている化学変化になります。十分な酸素があれば、完全燃焼をしてガスとCO2となり大気に排出されて、残りの成分が灰になる「燃焼」という1サイクルになります。

 

なので、薪が完全燃焼しても「炭」はできません。炭は「酸素が十分でないところで木を燃やして」作ります。

 

 

酸素が十分に供給されない(空気の入口をふさいだりして小さくした窯のようなもの)環境で木を熱すると、酸素がある時と同じくガスが出始めます。ところが、酸素が十分にないので炎になれません、そして、木に含まれている炭素Cは酸素がないためCO2にはなれず、C(炭素)のまま残ります。炎が出ずに不完全燃焼するために、灰の成分であるカリウムやマグネシウムも残ります。

 

なので「炭」はガスが完全に抜けきったあとの、炭素と燃焼できなかったカリウムなどからできているということになります。木を酸素が少ない状態で加熱すると、木の組織がそのまま残った炭素の塊となります。生木に比べると内部に木のセルロースなどの可燃物がガス化した後にできた空気の通り道がたくさんある「骨組み」が残り、そこに炭素が露出した状態の「炭」となります。

 

 

小さな炭内部の「孔」は酸素をよく通すため、炭は一度火が付くと安定して燃え続けることになります。備長炭などの高級炭は、不純物が少なく極めて炭素に近い状態のものが燃焼しますから、二酸化炭素(CO2)だけが発生し、一般的な炭のように燃焼時に煙が殆どでません。

 

酸素量が少ないと、C+O2=CO2 となるところが、C+O=CO(一酸化炭素)となるため、危険な一酸化中毒の原因になります。火が付いた炭に空気(酸素)を供給うると、約1000℃くらいの温度で燃焼します。また、遠赤外線が食材に吸収されるためフライパンなどで温度を与えるよりも遠赤外線の熱が加わるために、短時間で美味しく料理が出来上がるという理屈です。

 

炭が長く持つのは、不純物がすでに燃焼して炭素のみが残っているためと、炭素と酸素の化学反応(発熱、発光)以外の方法で起こるよけいな燃焼がないためでだと言われています。

 

豆炭は、石炭と炭の粉末を消石灰などを混ぜて練ったのちに成型したものです。