6月からスタートさせる予定の最後の遣唐使。


このシリーズをスタートしようと思ったの は、今年あたりから引退が本格化する団塊の世代の人たちは一般に中国への関心が高く 、知識の量も多いからです。


この世代は子供の頃から、司馬遷の史記、十八史略、三国志演義などに親しんで きた。韓信の股くぐり、関羽・五関を破るなんて話は、この世代なら大抵の人が知っている。諸葛孔明なんて名前を聞いただけで目を輝かせる。

三国志演義では曹操は仇役です。奸雄とか梟雄とかいう芳しくないレッテルが貼られている。この英雄、実は稀代のインテリだった。




有名な赤壁の戦いの前に詠んだ詩は今でも名詩として世に伝えられている。息子で魏を建国した曹否も大変なインテリ。同じ息子の曹植は六朝から唐の前期にかけては中国最高の詩人と謳 われていた。曹操の遺伝子の力です。

さてシルクロード。絹の道は日本では人気がある。NHKの番組の影響、喜多郎の音楽の力も大きい。


10年ほど前ですか。タイ・マレーシア観光に行った。例のタマネギ型のドームが あるスルタンの屋敷だか寺院だかにバスで着いた。すると地べたに座って観光客に土産物を売っているバザール商人たちが一斉に「キタロー、キタロー」と叫ぶ 。どうも僕に向かって叫んでいるようだ。


はて、なんだろう。と思ったら、僕の髪が普通の人より長いんで喜多郎の同族だと思われたらしい。マレーシアにも喜多郎の音楽と顔はよく知られてたんですね 。お蔭で僕は機械織りの安い1畳ばかりの絨毯を6枚も買わされた。


シルクロード。絹の道が日本で大きな意味を持った時代。


それはなんといっても日本の平安時代。中国では唐の時代です。゛


遣唐使。海のシルクロードだ。


最後の遣唐使が海を渡ったのは9世紀の中頃。留学僧として円仁、円載らが乗船 していた。


このときの遣唐使は最初から波乱含みだった。空にはハレー彗星が飛 んでいた。



中国の前漢の初めの頃ですから紀元前200年頃。その頃に編まれた「淮南子(えなんじ)」という道家の書がある。



その中の天文篇に、「四時は天の役人であり、日月は天の使者である・・・虹や彗星は天の忌避するところ」と書かれている。四時というのは四季のことです。



虹や彗星は不吉とされていた。