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夏目漱石の夫人の鏡子さんがヒステリーを起こして川に飛び 込んだ。昨日のブログにはそう書きましたが、川にザブンと身を投げたのではな く、着物のまま川の中にジャブジャブ入っていった程度だったようです。それで も漱石は胃に穴があく思いをしたでしょうね。

ソクラテスが妻のクサンチッペ にガミガミ言われ、しょうことなく広場に行っ て哲学問答をしていたのは有名な話だ。

トルストイだってそうです。あの偉大な作家もずいぶん奥さんには悩まされたら しい。晩年、たまりかねて家出をし、停車場のベンチにへたりこんでいたところ を発見された。明治も末の頃だ。

この事件。当時の日本の新聞にもデカデカと取り上げられた。人道主義の偉大な 作家、トルストイ翁が家出、って感じの見出しです。小林秀雄と正宗白鳥の論争 の種にもなった。偉大な作家への道もなかなかケワシイ。

トルストイは日露戦争の頃はまだ存命だった。若ければ2つ目の「戦争と平和」 を書いたかもしれない。

さて、このシリーズ。読者の広樹さんやshogyou123さん、それにkees popingaさ ん達におだてられて書いてきましたが、次回からは話がやや暗くなる。この闇は なかなかに深い。