私は心根の優しい父に特に可愛がられて育った娘だと思います。

子供のころは、かなしいという感情も知らないほどに天真爛漫な子供だったと思います。

 

兄弟は5人で上に姉二人、兄二人、私の順です。いちばん上の姉は39歳の若さで子供も3人残して亡くなりました。残った兄弟で子供たちを可愛がったつもりでしたが、十分ではなかったようで、一番下の子は国立大学を中退してフリーターの道にさまよいこんでしまいました。

 

東京に出てきて、一番上の兄が何かと世話を焼いてくれたおかげでなんとか都会の生活にも慣れて問題なくすごしていました。

 

兄はその後独立して会社をおこし自社ビルを所有するほどに成功しましたが、リーマンショックで一気に崩れ去り、倒産の憂き目をみることになりました。

 

わたしが経営が不振であることを知ったのは兄の還暦祝いの席でのことでした。

 

慌てた私は、母がお金を貯めこんでいることを知っていたので、母から借りるように自ら勧めたのでした。

 

事件が起きるのはその直後です。                  つづく