おばあちゃんを見送りました。

大好きな花に囲まれて

本当に綺麗でした。

しつけを切ってもらって

着せてもらった新しい着物が

本当によく似合っていました。

お顔はつやつやで

私の方がしわとカサカサ隠しきれんわと

思ってしまうほどでした。

義妹も同じことを呟いていて

思わず笑いました。

100歳とは思えない輝きでした。


サラサラ髪の若い納棺師さん。

所作が無駄なく丁寧で

流れるようにお仕事をされていました。

極寒の部屋なのに一人汗だくで、

親族一同が固唾を飲んで見守る

緊張感半端ない異様な雰囲気の中

失敗は許されない厳しい仕事なんやろうなと

そう思いました。

そんなことを考えながらも

サラ髪汗だくといえば

思い出さずにいられない人のことも

ひっそり思い出す俗な私でした。

着物のしつけを切るのに

かなり時間を要した後、

「おばあちゃん寒がりやったから

 そこに置いてる暖か肌着も着せて!」

お世話してた伯母だからこその

譲れないポイント発動!

そんな無茶振りをしても

動じず、サッサッサーと

おばあちゃんが恥ずかしくないよう

見えないよう脅威のスピードで

暖か肌着も下着も着せてくれました。

(あったか肌着に下着、肌襦袢、長襦袢、着物…一体何枚着せんねん!と私やったら絶対思ったはず)

上手にスッキリ着付けをして下さって

最後は足袋を親族に履かせてくださったり

お棺に入れる杖などの説明をしてくださったり

素晴らしいお仕事ぶりと思いました。

おばあちゃんはシャンプーまでしてもらって

とても気持ちよさそうで

みんなそれを見てとても満足しました。


お別れって

納得が大事なのですね。



遺影を選ぶ時、

もっと悩むかと思ったけれど

伯母が選んだ写真を見て、

娘である母も即決。

10年前に神戸で母が撮った写真でした。

背景が花と緑で

自然光が美しい写真でした。

この時こうしてああしてと

話が弾みました。

私も大好きな動物園なので

あの場所で撮っている姿まで

思い浮かびました。

弟が「これちょっと若すぎへん?」

まっとうな質問を投げかけましたが、

みんな無視(笑)

男性陣はそれ以上誰も何も言わず

アッサリ決定。

ちょっぴりサバを読んだおばあちゃんの写真は

本当に笑顔が優しくて美しくて

式の間ずっと誇らしかったです。

納得の写真でした。


母は思ったよりずっと落ち着いていて

それが救いでした。

いくつになっても母は母だから

泣き崩れる姿は見たくなくて

母もそれを知ってか知らずか

気丈にしていて。

後で実は二人きりで

納得できるお別れができたんやと

話してくれました。

お陰で私は

コロナ禍でほぼ会えないまま

見送ることになった大きな後悔を

存分に涙で流すことができ、

カサカサの心がつるりと

裸になった感じでした。


久しぶりにあった従姉妹たちとも

LINE交換や情報交換をし

みんな少しキツくなって新調したという

喪服を見せ合い

美味しい物を分け合って食べ

お土産を交換し合って別れました。


家族葬っていいですね。

無駄なことが省かれ、

本当に必要なことだけ。

残された家族が納得いくよう

スタッフの皆さんが向き合ってくださって

ありがたかったです。


花はふんだんに飾られていました。

小さなお葬式でしたが

遺影の周りに飾られた花はとても豪華で

これ以上ない美しい流線で飾られていて

おばあちゃんが被ってた帽子のようでもあり

宇宙船のようでもあり

木星や土星のようでもあり

とにかくシンメトリーでいて

アシンメトリーさもあるその花の飾り方が

私はとても気に入りました。

高そうやなと俗な私は思ったけれど

花が好きな母が

花が好きだった祖母のため

譲らんかったんやろうと予想できました。

生花には生花にしか出せない

香りや艶やかさや華やかさがあり

そして儚さがあります。

うちは娘も花が好きで

花にはあまり詳しくないのは私だけかも。

枯れないから造花の方がむしろよくない?

そんなタイプです…

切花からは儚さとは違う寂しさも

感じてしまうからかもしれません。

自然の中にある生き生きした子たちが好き。

野原の雑草の花が好きかもです。




母方祖母はニ親等だから

特別休暇5日取れるよと

上司が言ってくださったけれど

1日で葬儀を終え、

いつもの日常に戻りました。


おばあちゃんも花もない日常。

その日の朝、

届いた動画を開封しました。

窓から差し込む朝日が眩しかったからか

おばあちゃんの葬儀の後だったからか

オニュが花に囲まれていたからか

心がぐらぐらしました。

それはもう

思わず声を漏らしてしまうほどで。

いい大人というか

もしかしたら大人の中でも

THE 大人って位置にいるような

枕詞「お」をつける域の「お大人」として

ありえない俗な言葉でした。



ヤバッ…



花と風と雲とオニュ。

揺れるのは花でも風でも雲でもなく

俗な私。


ティーザーではなくサンプラーと?

(いつからそんなもんできたん?)

曲でなくムードと?

(ムードだから連想が止まらんのか?)


これに曲つけたら

もう私たちほんま終わりちゃう?


サンプル的な気分で開封したら

それどころちゃうえらいもん出て来て

こんな繰り返し繰り返し繰り返し

ティーザーでも観たことあるか?ってくらい

観てませんか⁉︎

観てますよね⁉︎

私だけ⁉︎ 


そんなこんなで

サンプリングしてる間に

もうすでに波に乗り遅れてるかもですが、

波に乗るどころか

Oceanで難破して溺れているので

しばらく海底で

くるくる円でも描いて

タコとダンスでもしておきます。