私は、夕方自転車に乗っていた。


知らない街で、何故ここにいるか分からなかった。



商店街に入った。たくさんの店があるのだが、


売っているのは ほとんど肉類である。


よくある肉屋さん達で、鳥・豚・牛の生肉と、


調理済みの 美味しそうな良くある肉屋さんばかりだ。


我慢をして買わなかったが、私はチキン好きで、


美味しそうな肉たちが並んで もうたまらなかった。




しばらくして、商店街を出た。


車が行き来しており、普通の幹線通りだ。


ふと信号あたりのところを見上げると


肉通り(正式名称ではないみたいだが)


と、書いてあった。


そして結構な車やバスが多く、特にバスに乗っている人は


みんな制服を着ていて 肉工場に向かっているようだった



私は、自分でどこへ向かっているのかは分からず


ぶらぶらと自転車を走らせていた。


携帯電話を取り出し 時間をみると、


朝の6時前後である。


ますます私が、知らない街で


この時間に 何故ここにいるか


どこへ向かっているのか分からなかった。





1学期が始まった。三年生になり制服を着た僕は


がやがやと友達たちと話していた。


しばらくして、先生達が入ってきた。


何故か3、4人ぐらいいる。



そして、今日から高校三年生の始まりなのだが、


いきなり僕は、三人の大人に呼ばれて教室を出た。


他のみんなには、副担任の先生が話を始めていた。



ある部屋に呼ばれた僕は、


とても優秀だという事を 説明され


これからの将来に とても素晴らしい道があると


言われた。2年生迄の成績や、生活態度など


学校で最も素晴らしい生徒だと、たくさん言われた。


少し嬉しくなってきた僕は


興味しんしん 聞きたい事満載だが黙って聞いていた。




そして、先生ではない方が、


おもむろに たくさんの書類やパンフレットを出してきた。


卒業したら、僕にここに来てほしい


ということらしい。




そのパンフレットを 


僕はわくわくしながら 開けてみた。



すると それは



肉工場の会社のパンフレットだった。







デルカへ

デルカ