婚活で胃が痛い

婚活で胃が痛い

婚活というものは胃が痛くなるほどに大変なものであることよ。

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 とりあえず、PCに目を向けた私は、「婚活」について調べてみることにしました。結婚に向けて活動することが「婚活」なのはわかっていますが、何をどうしていいのかわからなかったのです。

 周りの結婚した友達の出会いは「学生時代からの付き合い」、「合コン」、「知り合いからの紹介」といった感じですが、今のところ、そういう話は一切ないので期待はできません。一応友人には「そういう話があったら声かけてね」と言っていますが、待ち続けても来ないときは来ないのです。

 というわけで、検索サイトで「婚活」を入力して調べた結果、「結婚相談所に登録する」、「出会い系サイトに登録する」、「婚活パーティーに出席する」、「婚活イベントに参加する」と、いろいろな方法が出てきました。

 「結婚相談所」は、以前から興味がありました。ただ、入会金、月会費、成婚料、とかなり高額で、申し込むのはちょっと、とためらっていました。この頃は、「結婚相談所に申し込みさえすれば結婚できる(だって、高いお金を払うのだから)」と根拠もない確信がありましたし、「結婚相談所に申し込むなんて、必死すぎるかな」という、最後のプライドのようなものがありました。(それは婚活を続けるにつれて、変わってきます)

 「出会い系サイト」も調べてみたところ、テレビでよく取り上げられるような犯罪にまつわるものではなく、きちんとした出会いを求める、真面目なサイトもあるようです。無料のところもありますし、お手ごろな月会費を払い、身分証明書の提示をするようなところもあります。ただ、私は騙されやすいところがあるので、「もし騙されたらどうしよう」とやっぱり、申し込むのをためらってしまいました。まあ、日常で出会っても、騙されていた、という話もあるので、ネットだからと身構えすぎているのかもしれません。

 というわけで、お手軽なのは「婚活パーティー」や「婚活イベント」に参加することに思えました。パーティーはお手ごろな価格で参加できるみたいだし、バスツアーのようなイベントも楽しそうです。まずは、度胸をつけるために、何かそういったものに参加しようと思っていた頃、目に止まったのは、旅行会社の広告の「婚活バスツアー(日帰り)」でした。

 旅行は好きなのでよく行くし、そういうツアーに参加する方なら、やっぱり旅行が好きな方が多いのかもしれません。値段も日帰りバスツアーならありそうなそこそこの料金だし、何より、ツアー内容も楽しそうです。「気晴らしになるかもしれないよ」と友人も誘ってみたところ、「バスツアーって、一日中、一緒なわけでしょ。もし、隣りの席の人が変な人だったらどうするの」と断られました。確かにそうです。

 でも、私は、友人の答えを聴いて、さらに申し込む気になってしまいました。私は仕事の席以外で、男の人と話すのが苦手です。ここまでの状況に追い込まれれば、さすがに度胸がつくのではないか。そう考えて、旅行会社に電話で問い合わせてみました。私が気になっていたのは、「果たして一人参加の女の子はいるのか」でした。答えは「うーん。今のところ、グループの申し込みが多いですね」でした。「やっぱり考えさせてください」と一旦は電話を切り、しばらくネットで婚活バスツアーの感想などを調べました。

 それから一週間くらい考え込んで、「やっぱり考えていても始まらない。いっそ一人の方が頑張れるかもしれない。よし!」と申し込み、どきどきしながら当日を迎えました。










 お見合いを終えてから、漠然と考えていた結婚について、考え込むことが多くなりました。結婚は、ただ当人同士の問題というだけではなく、お互いの家同士の問題でもあります。もっと若い頃は「本人同士が好きならいいじゃん」と思っていましたが、だんだんと「好き」だけでは結婚に踏み切れなくなってきます。周りの結婚した友達の話を聴いても、育った家庭環境が違うと一緒に暮らしていくのはなかなか難しいようです。特に経済観念が違っていたら、とても大変なことになります。(それを乗り越えるくらいに「好き」で、お互いにそれをわかって努力できるなら問題ないとは思いますが)

 以前お見合いをしたAさんはそれを気にして、初対面の私にかなり立ち入ったこと(宗教や持病)を訊いてきたのかもしれません。そして、それは初対面の人に尋ねるのは失礼である、という考え方をされない方だったのでしょう。でも、まず条件を気にするお見合いなら、それも普通のことなのかもしれません。ただ、それなら最初に釣書を交わしておけよー、とやっぱり思ってしまいますが。

 「お見合い」ってそういうものなのかなー、でも、なんだか、自分に値札つけられてるみたいでいやだなー、とうだうだ考えているうちに、気がついたら半年以上経っていました。

 そこで、「あれ?」と思いました。

 気がつけば、この半年(以上)、何もなかった。友達からの紹介も、合コンも、お見合いも何もありませんでした。

 職場と家の往復、休みの日はごろごろするか、友達と遊ぶ、それを繰り返していたら、特に変化もなく、半年以上経っていました。本当にあっという間です。20代の頃はそれでも何も考えずに、そのときそのときを楽しんでいました。結婚も縁があればいいなあ、くらいで真剣に考えてもいませんでした。

 仕事は小さな会社ですが、何とか正社員で働いています。とりあえず、食べることには困っていないし、友達が遊んでくれるし、それなりに楽しい毎日です。

 さあ、私は、本当に結婚したいんだろうか。

 考えてもよくわかりません。結婚したらしたで、いろいろと苦労はありそうな気がします。

 でも、夕方のスーパーに行くと仲の良さそうな親子連れがいて、楽しそうに買い物をしています。結婚しなければ、そんな光景は見ているだけに終わるんだなあ、と思います。

 兄夫婦の結婚式で、誓いの言葉を聴いて、感動もしました。病めるときも、健やかなるときも、貧しいときも、富めるときも、代わらずに愛を誓う、というのは、なんだかすごいことのような気がします。全くの他人の私にそんな風に誓ってくれる人がいてくれたら、やっぱり、それはすごく幸せなことではないでしょうか。

 このまま待っているだけではだめだ、と思いました。ぼうっとしていても、棚から牡丹餅は落ちてきません。空から星の金貨も降って来ないのです。(だいたい、金貨が降ってくるほどの善行なんてしていません)

 よし、動いてみよう! がんばって、ダメなら仕方ない! 諦めて、一人で生きていく方法を探そう!


 とりあえず、そう決めて、私は「婚活」をしてみることにしました。

 でも、婚活って、果たして何をすればいいのか。

 そこで、私は目の前のPCに目を向けたのです。




 私が「よーし、婚活するぞー」と決める前、お見合いをしたことがありました。その頃はまだ20代で、結婚はいつかすればいいや、と適当なことを思っていましたが、年を重ねるごとにだんだんと、友人・知人からの紹介や合コンなどの話もなくなってきます。ちょっとそれを不安に思っていたところ、母親から「知り合いから頼まれたんだけど、どう?」とお見合いの話が来たんです。

 お見合い、といえば、釣書を交わして、両親同席でホテルのラウンジみたいなところで、着物を着て、堅苦しく会う、というイメージがあり、「いやー、ちょっと」と引き気味に返事をしたところ、「釣書も書かなくていい。気楽に会ってお茶をするだけでいい」と言われたので、これも一つの出会いかと思い、承諾しました。なので、当然相手のこともよく知らないままに、とりあえず、母親と紹介してくださった方も同席の上で、ホテルのラウンジでお茶をすることになりました。

 少し街から離れた海沿いにあるきれいなホテルで、車でないとなかなか行けないところです。お茶の後は、相手の方の車でドライブ、という話だったので、ちょっと緊張気味に向かいました。

 お相手の方は7歳くらい年上の方で、とても良い方だということ。「不器用だから、女の子の喜ぶようなことは言えないと思うけど、本当にいい人だから」と紹介してくださった方は力説されていました。


 私も不器用なタイプですし、それを聞いて、逆に好感を持ちました。それで、ホテルのラウンジで会ったわけですが、実に気まずい。母親と紹介してくださった方の会話が盛り上がる中、私とお相手の方(仮にAさん)は、なかなか会話がしにくいなあ、という感じで、お茶を飲み、ケーキを食べました。

 Aさんは、とても背の高い方で、確かに真面目そうな方に見えました。ケーキも食べ終わったことだし(おいしかった)、あとは若い方同士で、という話になり、にわかに緊張感が高まります。初対面の男の人の車に乗るというのは、ものすごく緊張するわけですが、親の紹介でもあることですし、おかしなことをされる危険性はないでしょう。

 それでも何となく身構えながら、車に向かいます。(用心しすぎな気もしますが)

「どこか行きたいところはある?」

「いえ、特にはないので、適当に走ってもらえたら」

「うーん。そういうのが一番困るんだけどねえ」

 私も困るわ! 

 という突っ込み(心の中で)を入れながら、やっぱり行きたいところもないので、Aさんにお任せすることになりました。

「どうしてその年でお見合いしようと思ったの? 親に無理やりしろって言われた?」

 Aさんは、いまいち乗り気でない様子。その年で、と言っても(Aさんよりは確かに年下ですが)、私の友人の大半はとっくに結婚しています。

私でがっかりしたのかな、とか、Aさん自身、無理やりお見合いさせられたのかな、とか思いつつ、

「お見合いも、一つの出会いだと思って来たんですけど」

 と言うと、そのまま会話が途切れてしまいました。

 沈黙は気まずいです。その沈黙を埋め合わせるために、とりあえず、仕事の話をしたり、Aさんの仕事の話を聞いたりしているうちに、会話がまた途絶えます。

 今度は趣味の話をしよう! そう思って、会話を振ろうとした矢先、

「ねえ、持病ってある?」

 と訊かれました。

「いや、ないですけど。Aさんにはあるんですか」

 もしかしたら、Aさんに持病があって、それを話すためなのかと思いました。

「いや、ないけど」

 ないのかー。自分はないのに、初対面で、そんなこと聞くのかー。たとえ何か持病があったとしても、初対面でそんなこと言いたくないなあ。

 なんだかショックを受けながら、その後も趣味や好きな食べ物の話をしようとしても、なかなか会話が続きません。女の子の喜ぶようなことは言えなくてもぜんぜんいいけど(そもそもどんなことが喜ぶようなことなのかわからないし)、普通の会話が成り立たないのはきついです。

 その後もどんな宗教に入っているのか訊かれただけで、「これは、向こうもやる気がないんだな」と判断しました。それから適当に流して走ってもらって、家まで送ってもらい、母親には「今回はご縁がなかったということで」と紹介してくださった方に断ってもらいました。

 そうしたら、次の日。紹介してくださった方から再び連絡があったようで、母親から

「あのねー。Aさんから結婚を前提に付き合って欲しいって返事が来たんだけど、どうする?」

 と言われました。

 いや、でも、会話が成り立たない方とは無理だし、そもそも、私を気に入ってくれた理由が心底わからない。だって、どんな話を振っても、返事が返ってこない相手(会話例 「映画は見ますか」「わりと見るよ」「好きな映画は何ですか」「いや、うーん。思いつかないなあ」)とどう付き合えばいいんだろう!? 

 と悩み、「もう一回だけ会って欲しい」と言われたのを、やっぱり無理だとお断りさせていただきました。

 そんな感じで、どっと疲れてしまい、お見合いは当分いいやと、思いました。持病や宗教は、お付き合いする上で確かに大切なことかもしれないですが、それを気にするのなら、釣書を交わすべきだと思います。直接聞くのは失礼です。私より年上なのに、そういう基本的な常識がない方とは付き合えないなあ、と思いました。

 それからは全く出会いもなく、ただ月日だけが流れていきました。


 

 






 
 アラサーというのを30歳を過ぎた女性のことを言うのだと思っていたら、アラウンド30歳、つまり、30歳辺りの女性のことを言うのだと初めて知って驚愕しました。

 そんな感じのアラサー世代で、婚活を始めてみましたが、なんだかとっても胃が痛い感じです。

 婚活をされている方のブログを拝読するにつけても、皆さん積極的で、活動自体も楽しんでいらっしゃるような感じがしますが、私は楽しむどころか、やっぱり、胃が痛い感じです。

 それでも、この活動をやめるわけにはいきません。というわけで、自分を励ますためにもブログを始めてみようかと思います。