※連続小説です！結構長く分割されています(^^)
無名の作家、太陽さんより
1-1は
http://ameblo.jp/zakkaeftsiz/entry-12119874635.html
1-2は
http://s.ameblo.jp/zakkaeftsiz/entry-12122341198.html
３ 相談
電車でのやり取りをした翌日。同じカフェで、偶然にも彼と出くわした。
彼は名前を石川と名乗り、簡単な自己紹介をした。僕も簡単に自己紹介をして、一緒にパスタを食べた。(一緒にといっても席を隣に座り、二人店内に向かう会うような形で座っていた)
喫煙席と禁煙席に分けられた店内の真ん中には大きなテーブルがあり、30代前半に足を踏み込んだとおぼしきキャピキャピした女性３人が楽しそうにスマホの画面を覗きあったり、イヤホンを一緒に聞きながら笑いあっている。彼が喫煙者だったら面倒なことに巻き込まれなくてよかったのにな、と心の中でぼやく。そんなぼやきを露知らず、石川さんは食後に大きなため息を吐いて、話始めた。僕は把握している部分については聞き流しながらパスタを食べ、新しい情報については注意深く話を聞いた。
石川さんは、どうやら最近不思議な出来事の重なりに対して怯えているようだ。
二週間ほど前から家に対して嫌がらせが始まった。
時を同じくして、ツイッターでのフォロワーで知らない人が増えたり、フェイスブックの友達申請で知らない人からの申請があったり、又は数人懐かしい友達からも申請があり、ネット上での会話をしたりしていた。
石川さんは凝り性というか、はまりやすい質らしく、SNSは登録して以来毎日必ずチェックをし、電車や移動、ふとした合間には必ず更新情報を見たり、自分でも小さなことを呟いたりしている所謂ヘビーユーザーだった。そのため、SNSが自分に対してなにか悪いことがあるということがあるはずは無いという確信は持っていたが、嫌がらせに苦しめられる妻と相談していたときに、もしかしたら因果関係があるのではと突っ込みを入れられ、途端に怖くなって自分でも疑い始めたらしい。
「すみません、こんなお話。でも昨日の電車で、こういうようなことが最近多いっていう話をしていらっしゃったので、同じような被害に遭われているではと思いまして、どうですか」
「おそらく石川さんのようなケースは稀なような気がします。僕が知っているトラブルのケースは、ネット上だけで起こります。フェイスブック上で友達申請をして承認されたらその後に直接のコンタクトはありません。友達になった権限を持って、あなたが更新している情報をソートして、必要な情報を掬い上げ、それを元に他の業者へ販売したり、サイト関連の業者へ提供したり、パスワードや口座の情報に繋がる情報を探したりと、被害者の目の見えないところでの活動をするようになるはずです。石川さんのように直接嫌がらせがあるというケースは無いと思います。」
石川さんは真剣に僕の話に食いついているが、あまり明確な結論が出てこなかったことにさらに落胆して見せた。
僕は彼の内面を再度確かめる。昨日よりも少し時間を掛けられる。特にこの落胆の背景と彼が何かの問題のトリガーを引いた出来事がないかを確認したいのだ。
すると彼の大きなため息の元となる要素がわかった。
昨晩、家に帰ると妻と子供が家にいなかったのだ。そしてテーブルにある封筒と手紙。封筒の外にはなにも書いていない。手紙には大きく読みやすい字で走り書きがあった。
「実家に帰ります。無駄な説明は要りません。手続きを進められるのであれば早急に進めたいです。」
この手紙が示す意味は封筒の中身が語ってくれた。封筒には石川さんが若くてスレンダーな女性と小さくて可愛らしい女の子と写る写真が数枚入っていた。一緒に食事をとる写真、町を歩く写真、電車に共に乗る写真、そしてホテルへ入る写真とホテルの窓に写る二人の影。どうやら石川さんの浮気現場を押さえる写真が封筒に入ってポストに入れられていたらしい。
彼は驚愕し同時に悩んだ。
まず写真に写っている自分と知らない女性。自分には全く記憶にないデートシーンや夜の出来事まで。頭の中をかき混ぜるように過去を思い起こしてみるが、自分が写真にあるような行動をしたことを一つも探し出すことはできなかった。そして妻の字から読み取る、これらの写真を見たときの妻の感情を想像する。きっと事実と思う以外に無いだろう。さらには最近の嫌がらせで神経が大分弱っていたのだから無理は無い。
彼は現実を現実として受け入れると同時に、信じられる部分を自分のなかに探し思考する。ただ、思考が回らないことに一時間ほどして気づく。家のリビングの椅子に座り、何も音の無い時間を過ごした。数時間が経ち、そのままベッドに入って浅い眠りに入った。
翌朝、スッキリしない頭には、僕のことが少しよぎられていたようだ。
1-1は
http://ameblo.jp/zakkaeftsiz/entry-12119874635.html
1-2は
http://s.ameblo.jp/zakkaeftsiz/entry-12122341198.html
もっと読みたい！気になる！！
と思ってくださる方はいいねやコメント、シェアお願いいたします
楽しい雑貨屋さんもよろしくです(^^)
http://zakkaeftsiz.theshop.jp
無名の作家、太陽さんより
1-1は
http://ameblo.jp/zakkaeftsiz/entry-12119874635.html
1-2は
http://s.ameblo.jp/zakkaeftsiz/entry-12122341198.html
３ 相談
電車でのやり取りをした翌日。同じカフェで、偶然にも彼と出くわした。
彼は名前を石川と名乗り、簡単な自己紹介をした。僕も簡単に自己紹介をして、一緒にパスタを食べた。(一緒にといっても席を隣に座り、二人店内に向かう会うような形で座っていた)
喫煙席と禁煙席に分けられた店内の真ん中には大きなテーブルがあり、30代前半に足を踏み込んだとおぼしきキャピキャピした女性３人が楽しそうにスマホの画面を覗きあったり、イヤホンを一緒に聞きながら笑いあっている。彼が喫煙者だったら面倒なことに巻き込まれなくてよかったのにな、と心の中でぼやく。そんなぼやきを露知らず、石川さんは食後に大きなため息を吐いて、話始めた。僕は把握している部分については聞き流しながらパスタを食べ、新しい情報については注意深く話を聞いた。
石川さんは、どうやら最近不思議な出来事の重なりに対して怯えているようだ。
二週間ほど前から家に対して嫌がらせが始まった。
時を同じくして、ツイッターでのフォロワーで知らない人が増えたり、フェイスブックの友達申請で知らない人からの申請があったり、又は数人懐かしい友達からも申請があり、ネット上での会話をしたりしていた。
石川さんは凝り性というか、はまりやすい質らしく、SNSは登録して以来毎日必ずチェックをし、電車や移動、ふとした合間には必ず更新情報を見たり、自分でも小さなことを呟いたりしている所謂ヘビーユーザーだった。そのため、SNSが自分に対してなにか悪いことがあるということがあるはずは無いという確信は持っていたが、嫌がらせに苦しめられる妻と相談していたときに、もしかしたら因果関係があるのではと突っ込みを入れられ、途端に怖くなって自分でも疑い始めたらしい。
「すみません、こんなお話。でも昨日の電車で、こういうようなことが最近多いっていう話をしていらっしゃったので、同じような被害に遭われているではと思いまして、どうですか」
「おそらく石川さんのようなケースは稀なような気がします。僕が知っているトラブルのケースは、ネット上だけで起こります。フェイスブック上で友達申請をして承認されたらその後に直接のコンタクトはありません。友達になった権限を持って、あなたが更新している情報をソートして、必要な情報を掬い上げ、それを元に他の業者へ販売したり、サイト関連の業者へ提供したり、パスワードや口座の情報に繋がる情報を探したりと、被害者の目の見えないところでの活動をするようになるはずです。石川さんのように直接嫌がらせがあるというケースは無いと思います。」
石川さんは真剣に僕の話に食いついているが、あまり明確な結論が出てこなかったことにさらに落胆して見せた。
僕は彼の内面を再度確かめる。昨日よりも少し時間を掛けられる。特にこの落胆の背景と彼が何かの問題のトリガーを引いた出来事がないかを確認したいのだ。
すると彼の大きなため息の元となる要素がわかった。
昨晩、家に帰ると妻と子供が家にいなかったのだ。そしてテーブルにある封筒と手紙。封筒の外にはなにも書いていない。手紙には大きく読みやすい字で走り書きがあった。
「実家に帰ります。無駄な説明は要りません。手続きを進められるのであれば早急に進めたいです。」
この手紙が示す意味は封筒の中身が語ってくれた。封筒には石川さんが若くてスレンダーな女性と小さくて可愛らしい女の子と写る写真が数枚入っていた。一緒に食事をとる写真、町を歩く写真、電車に共に乗る写真、そしてホテルへ入る写真とホテルの窓に写る二人の影。どうやら石川さんの浮気現場を押さえる写真が封筒に入ってポストに入れられていたらしい。
彼は驚愕し同時に悩んだ。
まず写真に写っている自分と知らない女性。自分には全く記憶にないデートシーンや夜の出来事まで。頭の中をかき混ぜるように過去を思い起こしてみるが、自分が写真にあるような行動をしたことを一つも探し出すことはできなかった。そして妻の字から読み取る、これらの写真を見たときの妻の感情を想像する。きっと事実と思う以外に無いだろう。さらには最近の嫌がらせで神経が大分弱っていたのだから無理は無い。
彼は現実を現実として受け入れると同時に、信じられる部分を自分のなかに探し思考する。ただ、思考が回らないことに一時間ほどして気づく。家のリビングの椅子に座り、何も音の無い時間を過ごした。数時間が経ち、そのままベッドに入って浅い眠りに入った。
翌朝、スッキリしない頭には、僕のことが少しよぎられていたようだ。
1-1は
http://ameblo.jp/zakkaeftsiz/entry-12119874635.html
1-2は
http://s.ameblo.jp/zakkaeftsiz/entry-12122341198.html
もっと読みたい！気になる！！
と思ってくださる方はいいねやコメント、シェアお願いいたします
楽しい雑貨屋さんもよろしくです(^^)
http://zakkaeftsiz.theshop.jp