昨年末よりお世話になっている方から、ある「ECサイト」を紹介された。
忙しい妻に替わって私がその説明を聞きに足を運んだ。
サイトの方は熱心にメリットを説明してくれるが
私自身がネット注文などのシステムに精通していないので残念だ。
リモーネのお客様は電話注文やFAX注文の方が多いのは理解している。
また観光のお客様以外でも、わざわざリモーネに
足を運んでくださるお客様が多い実情を振り返り考える。
ECサイト加入は検討中だが、栽培して収穫して一本いくらのリモンチェッロを造って
売っての利益を積み重ね……という昭和の経営スタイルの
リモーネにはそぐわない気もする。
客層の若返りというのも考えていない。
今支持してくださる方々と
歳を重ねていければそれで良い。
いつか先細りになってもそれが自然なのだと受け入れている。
それは夫婦で合致している。
勿論、地域の活性化の為に! という気概はあるのだが。
以前のブログで書いた、大三島のバス廃線に伴う相乗りバスがついに発足することとなった。
数回の話し合いに参加したが、やはり一筋縄ではいかない。
私はどちら派ではないが、やはりどんな地域でも厄介な人はいるもんだよなぁ、という印象を持った話合いの場だった。
ただ厄介な意見も貴重なのは確かではある。
乗り合いバスについて、数ヶ月前から地域で話し合いの場を設けたり
回覧板を回したり、愛媛新聞にも掲載されたりしたが
「俺は聞いていない! 知らんかった。性急にすぎる」
とへそを曲げる方がいる。
だが上記のような段階を踏んだ上で
乗り合いバス発足に至った経緯を役場の方が説明すると、今度は
「それにしては段取りが悪すぎる!」
と声を張る。
説明を進行する役場の方は一つ一つの疑問や質問
に丁寧に言葉を尽くし場は治まる。
私もいくつか質問をした。
その感想というか総括。
「いやぁ~気持ちいい!」
だって役場の方は
「そうなんです。いままさに山﨑さんからのご指摘の通り~」
「山﨑さんから非常に貴重なご意見頂きました」
とまず、肯定から会話が始まるのが心地良い。
家庭では妻に全否定されている私からすれば
これが琴線を刺激することこの上ない!
私が意見を言うと妻はまず否定する。
理由を問うと
「う~ん。よく分からないけど違うと思う」
それって生理的な観点からの全否定ではないのか?
突っ込むと
「もういい!」
と切り上げ私が
「もうちょっと……」
食い下がると
「はぁ? 馬鹿じゃないの!」
と話を切り上げ席を立つ。
地域での集まり事はかったるいな、と腰の重い私だが
歪んだ承認欲求が満たされるなら、参加もありかもしれないと
前向きになれた。
一年半前から今治の総合格闘技ジムに通う息子が試合に出ることになった。
小学生三年四年の部で32キロ級。
試合直前。
前の試合の子供が接戦の末に判定で負けた。
恥じることの無い立派な試合内容だったが
その子供は判定結果を聞くと両親の元へかけより膝に顔を埋めて激しく泣き出した。
私は息子にだけ聞こえるように言う。
「いいか。負けて泣くくらいなら、全力出し尽くしてこい。それで負けたら笑って帰ってこい!」
息子は小さく頷く。
試合が始まった。
キックとパンチの応酬のあとに揉み合いになる。
背後を取られた息子の首に相手の腕が滑り込む。
十センチほど背が高い相手が立ち上がると身長差で自然と首に腕が食い込んだ。
その時、レフェリーがストップ。
場内に、両者に「?」の空気が流れたが結果は覆られない。
なんとも消化不良。
だがこれも勝負。
誰もが思い描く完全燃焼なんてそうそうない。
それも学びなのだ。