混沌とした空気で実施されたオリンピック。
色々と言えばきりがないから要点を。
2016年に大三島で社会人ボクシング選手権の決勝が行われた。
なぜ大三島なのか?
元アマチュアボクサーで今は地域で権限を持つ立場になった人物が招聘したとか、当時の会長だった山根さんが愛媛の梅酒を気に入っていたからとか諸説はあるが大三島のドーム体育館で数日に渡り開催され、無料ゆえに私も仕事の合間に観にいった。
その時、目にした優勝者の一人が「入江聖奈」さんだった。
今回のオリンピックで見事、女子フェザー級で金メダルを獲った入江聖奈さんだ。
オリンピックという世界の舞台では僅差判定で勝ち上がった印象があるが
その日の入江聖奈さんは下げたガードからジャブだけで相手をコントロールして圧勝していた。
長身でジャブ使いというトーマス・ハーンズのようなイメージを彼女のボクシングを観て当時は思った。
今は細かいステップを用いてより自分のボクシングを構築し進化しているのが今回のオリンピック中継を観て感じた。
その大会で優勝した男性の警察官の選手がプロに転向し、今年世界ランクを狙い日本人ランカーと戦ったが敗戦した。
「勝てばもう一泊しますが、負けたらそのままチェックアウトします」
滞在中、毎朝荷物をまとめ出発するボクサー達を
地域の宿泊施設の方々はそう述懐していた。
空手の型。
正直言って軽視していた。
「型?」
実践になんの役に立つんだ?
女子の決勝をライブで観た。
凄かった。
スペインの選手も日本の清水選手も凄かった。つま先から指先、頭頂部までのすべての所作が
キレがあり美しかった。
結果はスペインの選手が優勝。
清水選手の競技途中での垂れた前髪具合や目線の置いた角度など計算され尽くした
宝塚の舞台のような演舞に圧倒された私は清水選手の金メダルを疑わなかったが銀メダルに終わった。
強さと儚さを内包し体現したのは清水選手かと素人ながら確信していたが
採点基準というのは別にあるのだろう。
ボクシングでもそんな意見はあった。
本来はボクシング決勝だけでも東京に足を伸ばし観戦したいと思っていたが無観客試合だしコロナのご時世しょうがない。
スーパーヘビー級など重量級の金メダリストがプロ転向した時に
試合を間近で観ようとすると数十万のチケットが必要になる。
無料で未来の金メダリストのボクシングを観れた僥倖に感謝!
ちなみに空手の型のスペインの選手の顔力は凄まじかった。
一部で映画「ヘレディタリー継承」というホラー映画を彷彿させる、という声も
あった。
ちょっとそれひどくない?と思いつつもむむ、なるほど。