息子が学校でいただいてきたインフルエンザA型、わたしもバッチリとキマりまして絶賛寝込んでいるところです。
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1年ぶりにブログを更新します。
早速ですが沖縄には芭蕉布という織り物があります。その取材を45日間ほど、させていただきました。
わたしひとりで、取材、映像撮影、音声収録、編集までやっていますもので、どこか怪しい何かを見つけないようにお願いします。
編集画面はこんな感じです。整理する余地がありますね。
さて、本題に入ります。
「芭蕉の木」は、実は木ではなく大型の多年草で、まるで木のように立ち上がるこの茎にこそ、強くしなやかな繊維が隠れています。これが芭蕉布の原料になります。芭蕉というのはバナナの木の種類で、見た目はもうバナナの木です。バナナの実がなるのを実芭蕉、花芭蕉といって花を見て愛でるのもあり、そして繊維を抽出して織り物「芭蕉布」になるのは糸芭蕉という名前です。
これが糸芭蕉の木です。
茎の断面です。
この茎から、芭蕉布の糸のもとになる繊維を取り出して糸にし、そして織り物にしていくわけですが、その行程は驚くほど多岐にわたります。そのすべてがひとりの手作業によって生み出されていきます。
ちなみに、60本の糸芭蕉の木から、着物1着だそうです。信じられます?
歴史としては12世紀ごろにはすでにあったようです。使う道具は変わっているでしょうが、その作業の姿はほとんど変わっていないのではないでしょうか。ものすごいことだと思いませんか?
繊維を強アルカリの熱湯でぐつぐつ煮込みます。大鍋でぐつぐつです。
抽出した繊維。
このあとも様々な工程がありますが、本編からどうぞ。リンクは一番下に貼っています。
日本を代表する料理人、レフェルヴェソンスの生江史伸シェフが、鹿児島県枕崎の鰹節職人の瀬崎祐介氏についてのコメントで言っていました。 「現在はマイナーな素材になっているかも知れないが、文化を継いでいく、伝統を守っていくという時代の正統性がある。もしこういう(手間のかかる丁寧な)ものが無くなってしまうのであれば、私たちの文化が間違った方向にいっていることを暗示してくれているようなヒントがあるのではないか」
この芭蕉布の作家である鈴木隆太さんと初めてお会いしたのは、2019年11月でした。きっかけはスペインから来ていた写真家Joan Tomasが「織り物を見たい」と言ったことでした。
長い時間をかけて糸芭蕉が織り物になっていく様子、そしてそれに向かい続ける隆太さんの姿を取材させてもらいたいと思い、撮影がスタートすることになりましたが、COVID-19の影響があり、2020年の5月まで中断期間が出てしまいました。
個人的に撮影を進めているなかで、「宜野座村文化のまちづくり事業実行委員会」からお声かけをいただき今回、ギュッと8分弱で映像を出すことになりました。
音楽は、沖縄市在住の犬塚拓一郎氏(inuZucca)が率いるsynsekaiと、わたしの故郷宮古島の友人である高江洲ゆきこ氏に担当していただきました。題字にした「紡」は村内の漁師であり音楽家でもある仲栄真三七十氏にお願いをして書いていただきました。
ジャンルを超えて面白いひとが集まると、何か面白いことが起こるのではないか。その場をセットすることがわたしのライフワークのひとつです。映像にこだわらず今後も続けていきたいと思っています。どうぞご覧くださいませ。長い文を読んでくれてありがとうございます。
zagizee is Yu Zakimi(座喜味優)
