👳上から目線?
(一)
僕には自費出版ながら〔名著〕と自称している作品がある。
〔気功の達人になろう!〕というタイトルの書籍である。
気功の入門書であると同時に哲学書でもあり、「気功のバイブルですよね」と言われたこともある。
その名著に対して、
「いいこと書いてるよね」
と言って来た人がいた。
勿論、その人は、その本の内容を誉めるつもりで言ったのには違いないのだが、僕は冗談っぽく、こう応えた。
「上から目線?
いつから僕より偉くなった?」
(二)
「いいこと書いてるね」
という言葉で思い出したことがある。
大学生の時に、〔非行少年問題〕に携わっている全国の大学の教授や研究者、家裁調査官や保護観察官、学生等が参加する研究会を組織し、その機関紙に小さな論文を投稿したところ、ゼミの先生から、
「君のあの論文、いいこと書いてたね」
と言われたことがある。
目上の人、長年、その問題について研究されて来られた先生から言われるのには問題はないのだが、若し、それが下級生からの言葉だったらどうだろう。
「先輩のあの論文、いいこと書いてたね」」
やっぱり、
「上から目線?」
と応えるだろう。
(三)
実は、そんな感じのブログやYouTubeを見掛けることが多いのだ。
現存している人で、釈尊や空海を超える人はいないだろうと思う。
日蓮や道元を超える人もいないだろう。
勿論、法然も親鸞もだ。
名前を出せばキリはないが、世界中の偉人たちについても、その著作についても同じことだが、上から目線で紹介している人が沢山いるのだ。
自分は釈尊や名僧のような修行もしたことがなく、深い研究に取り組んだこともないような人間が、上から目線で、その偉人たちの教えの中身を解釈し、読者や視聴者に〔教え〕を説いているのだ。
彼らの特長は、決して自分のことは書かないし言わない。
自分の個人的な面でのボロが出るのが恐いのだ。
虚勢だから、本当の自分に自信がないのだ。
僕は、自ら実践も研究もしないで、「教えてやろう」的な上から目線の人の文章や発言は眉唾物だと思っている。