◆他人の行動を変えさせるには(その4)
事実だけをさりげなく伝え、どうすべきかを相手に任せることで、
相手は反発したり、頑なになったりせずに、
相手の行動を変えやすくするスキル。
ただし、このスキルを使う際には、大事な注意すべきことが
3つ あります。
(1)こちら側の“評価”を入れないこと。
特に怒りは禁物!
つい、「音が漏れていてうるさいですよ」と言ってしまうと、
この“うるさい”には、あなたの“評価”が含まれてしまいます。
やはりそう言われた側は面白くありません。
その中に“怒り”が含まれてくると、さらに相手を頑なにさせて
しまいます。このスキルにおいては、怒りを示すのはNG。
このような“評価”や“怒り”の感情を加えない伝え方は、
相手を動かすためのスキルとしてとても重要なことです。
(2)相手への信頼感を込める
次に大事なことは、この言い方の根底に、
「あなたがそれをよりよく解決できる人間であると信頼しています。」と
いう相手への言外のメッセージが込められていること。
相手に対する信頼がなければ、単なる言い方のテクニックだけになっ
てしまい、それは相手にも見透かされてしまいます。
“人は、そのように扱われれば、そのように振舞うようになる”のです。
この人間心理を活かさない手はありません。
(3)このスキルの限界も知っておく
最後に大事なことは、“この手法は万能ではない”ことを理解して
おくこと。
この手法が通用するのは、「何をやるべきかを相手も理解している場
合」に限ります。もちろん多くの場合はこれに当てはまります。
たとえば、電車の中でシャカシャカ音を出している人も、もしかすると、
音があれほど外に漏れていることを、本人はただ気がついていないだ
けかもしれません。そうだとすれば、相手はやるべきことを理解してい
るはずです。
それを、いきなり“お前は周りのことを考えない悪いやつだ”と決め付け
るような言い方をされれば、やはり面白くはありません。
しかしそうでない相手には当然ながら別のやり方を用いなければなりま
せん。
次回、最後にまとめをしたいとおもいます。