君の手を

掴む資格なんて元からなかった

君が手を

離してしまったあの時から

僕の手は

掴むものなんて何にもなかった

僕の手が

離れてしまったあの時から


最後に出掛けた春の公園

1人分の小さなレジャーシートに

並んで座って

途中で買った君の好きないちご大福

桜の花を眺めながら

君は最後までさよならを言わなかったね


最後に出掛けた春の公園

青く広かった芝生の真ん中で

並んで座って

2人で食べた君の好きないちご大福

君の横顔を見ながら

僕は最後までさよならを言わなかったよ


好きだから

好きなままで別れようと君は泣いた

好きだから

君の悲しむ顔は見たくなかった


愛した君だから

邪魔な僕は桜が散るように消えるだけ

愛しい君だから

満開に咲いた桜と僕を忘れないで


君が誰かを好きになっても

僕は君の幸せを心から祈るよ

そりゃ少しは嫉妬もするけどさ

勝手だとわかっているけど

わかっているから


僕が君の中で一番じゃなくても

僕は君の幸せを心から祈るよ

でも少しはくやしいからさ

この満開の桜と今日までの僕を

忘れないでください


僕は最後までさよならを言わなかったよ

君が僕より好きな人ができて

次に進んでいくんだと予感しているけど


僕は君の幸せを心から祈るよ

君はいつか僕以外の人と

君の好きないちご大福を食べるんだろうけど


僕は最後までさよならを言わなかったよ

君は素敵な人だからきっと幸せになれるよ


僕は君の幸せを心から祈るよ

君の未来が幸せに溢れています様に


僕は最後までさよならを言わなかったよ

君に隠した未練とささやかな抵抗なんだよ


僕は君の幸せを心から祈るよ

もう言わないから最後に言わせてね


君を心から愛しているよ

さよなら