Wiiでも遊べる。面白いゲームキューブソフト 「RUNEⅡ(ルーン2) コルテンの鍵の秘密」 | テレビゲームのソムリエになりたい - yzxのつぶやき

Wiiでも遊べる。面白いゲームキューブソフト 「RUNEⅡ(ルーン2) コルテンの鍵の秘密」

追記:攻略サイトを探している人はゲームコンパス さんのサイトを見るのがいいと思います。
私が答えられる範囲であれば、コメントから質問を受けられますが。

RUNEⅡ コルテンの鍵の秘密 シュリンクが付いているので新品にも見えるけど下部を開封しています。シュリンクを付けたままにすることで、外箱の汚れを防ぎます。
ルーン2 タイトル画面
ルーン2 ゲーム画面

GCに関するエントリーをあげたのと、WiiでもGCのゲームが遊べるので、ここいらでオススメのGCソフトのレビューを一本書いてみることにした。レビューするソフトは、エントリー名のとおり。フロムソフトウェアから発売。今なら多くのショップで、中古は980円。新品でも980円で売られていることを見かけることのできる報われないゲームだ。

レビューの前に、何故にこのゲームが安く売られているのかについて。時に安く売られているゲームというのはクソゲーの類が多いのだが、このゲームはそうじゃない。
単に、売れなさ過ぎた可哀想なゲームでもある。

まずタイトルに“Ⅱ”とあるとおり、このゲームには“Ⅰ”が存在する。
そのⅠはGCでのオリジナルアクションRPGであり、ユーザーの期待と雑誌評価が高かったため(以下、40点満点中 ファミ通:35,ファミ通キューブ:35,電撃GC:32 )そこそこには売れた。

Ⅰがそれなりに売れたことでⅡの発売が決まり、そのⅡの雑誌評価もそんなに悪くなかったため(ファミ通:30,ファミ通キューブ:35,電撃GC:35 )、Ⅱもそこそこに受注も集まった。しかし、実際に発売日を迎えると、消化率が非常に悪い。その悪さはⅠの初動本数を下回るほどで、ⅡはⅠの悪い部分により、Ⅰを遊んだユーザーがそのまま素直にⅡには手を出さなかったと言える。

また、タイトルにⅡとあるため、Ⅰを遊んでいないユーザーはすぐにⅡには手を出せず、結果としてⅡはその在庫が市場に大量に余る結果となった。まさに“ユーザーから必要とされなかった”からこそ値崩れしたソフトと言える。ただ、ゲームはそれなりに面白いことには間違いなく、まさに報われないゲームである。

(ただ、このゲームが発売された2003年5月は、PS2市場が活況を呈していた時期でもあり、その点においてGCで発売された事は不幸であったとも言える)

さて、このゲームのレビューに移りたいと思う。
まず基本的なゲームシステムだが、PSOやモンスターハンター系に代表されるようなアクションRPGである(ストーリーは1人プレイ専用。対戦モードもある)。ただ、それらと違うのは、主人公は武器の変わりにカードを使うということだ。

RUNEシリーズはカードゲームの要素があるということは、多くのコアユーザーはご存知のことかと思う。そして、この要素こそが簡単には手を出せない理由でもあろうが、実はそんなに煩わしいルールがあるというワケでもないし、難しいワケでもない。実際に遊んで見ると、武器がカードという記号に変わっただけのアクシヨンRPGであり、けっこうなじみ易いというか、とっつきやすかったりする。

PSOでは使いたい敵に攻撃する際は武器に合わせて対応するボタンを押すが、RUNE2も同じように武器で攻撃したいなら“武器攻撃を行うカード”が配置されたボタンを押すだけである。このあたりは、実際にPSOで剣を振るう感覚と大差ない。ただ、PSOで魔法を使うなら、RUNE2なら召還カードを使ったり、呼び出したら勝手に攻撃しにいくモンスターカードが配置されたボタンを押すのだが、さすがにそれらは攻撃発生までに時間がかかる。また、当然と言えば当然。要は、使うカードを変えることで、近接戦闘型か遠距離戦闘型に変えることができるということかと。

ゲームの進行は、全体マップからストーリーに沿って入りたいフィールド(砂漠や草原、ダンジョンなど)を選び、そのマップのボスを倒したり、クリア条件を満たしていくという形だ。

ただ、このゲームは使用したカードは基本的に使い捨て(武器攻撃カードはだいたい2回か3回使用で消える)なので、攻略するフィールドごとに使うカードの組み合わせが重要となる。水属性モンスターばかりのフィールドに、火属性カードばかりのデッキで進めても、登場するモンスターにたいしたダメージを与えられずカードが底をついてしまうからだ。

そういう場合は、水に対して強い土属性のカードを中心にして進めば、一枚のカードで複数の敵モンスターを倒せるようになるので、かなり楽に進めるようになる。

なお、カードは使い捨てと書いたが、全体マップ画面に戻れば使用したカードは再度使えるようになる。取得しているカードそのものが消えるわけではない。単に1ミッションに使えるカードが限られていると言える。単にバイオハザードにおける使える弾薬の数が限られているのと同じような気もするが、このゲームは全体マップへの出入りがゲーム開始当初のマップを除き、基本的に自由なので、弾薬が少なくなってきたら、一度全体MAP画面まで戻ることで、何度でもやり直しが効くあたり、バイオよりもずっと楽であるのは間違いない。

また、同時に出現するモンスターはたいてい1体~3体程度なので、アクションRPGが苦手な人でも案外、同じ武器カードを使うだけで、結構さくさくとゲームを進めることが出来る(ただし、ファンタシースターユニバースのようにボタン連打で簡単に敵を倒せるわけでもないのが、このゲームの素晴らしい所だと思う)

で、あくまでもこのゲームはアクションRPGなので、レベルアップの要素がある。
成長するのは主人公と、使用したカードそのものに経験値が貯まっていく方式である。

主人公はレベルアップ時にHPとMPが上がるだけだが、カードそのものはレベルアップしない。カードは貯まった経験値を消費する事で、同じカードを増殖させたり、別のカードへとクラスチェンジさせることができる。そうやって使えるカードを増やし、難しいフィールドでも有利に進めていくことができるようになる。

あと、シリーズもの(とはいえ2作品しかないが)の気になる部分として、Ⅰを遊んでいない場合にⅡから始めた場合、Ⅱの面白さを味わいきれないという可能性なのだが、これは全くないと断言できる。何せ、私自信がⅠを遊んでいない。実際、Ⅰとはストーリーがリンクするわけでもなく、こう言っては難だが、ぶっちゃけるとⅠは遊ばなくてもよいゲームなのかもしれない。まぁ、ルーンの世界観を深く味わいたいなら、Ⅰから初めてもいいんだろうが、逆にⅡから初めても何ら問題はないだろう。むしろ、Ⅱの方がとっつきやすいので、Ⅰを後回しにしてもいいぐらいだ。

ゲーム全体の処理速度はかなり安定していて、フィールド移動時に一旦読み込めば、後はそのフィールドを出ない限り読込で止まるようなことはまずない。また、GCなので読込速度は比較的早い。その安定性のせいか、ゲームテンポは非常に良い。

さて、ゲームクリアまでの所要時間だが、初めてでも20時間あればクリアできる。早い人なら15時間。もっと早い人なら10時間あれば余裕でクリアできるのではないだろうか。おかけで、ややボリューム不足感は否めないが、初めての人なら、18時間~20時間ぐらいが目安になるので、30時間もかかるようなゲームだと投げ出す人にはオススメである(むしろ、休日1日あれば充分に遊び込められ、且つ完了できる、この程度が丁度よいと私は思う)。ちなみに、エンディングは2種類あるので、最後の方のとある部分でのセーブデータを残しておかないと、1からやり直す必要もあるので注意が必要だ。

また、パズル要素は少ないが、その少ない要素の一つ一つがそれなりに凝っていて、意外と歯応えがある。実際のストーリーの進行においては、無視してもいい部分がたいていなので、1人プレイ専用にしてはやけにロールプレイに近い自由度も味わえる。もし、次回作が出るのであったなら、是非こういった部分はネットワークプレイ対応にして欲しい。

さて、出来る限り良い部分ばかりを書いてきたつもりだが、当然悪い部分もある。
それは、一にも二にもストーリーであろう。何せ、先が非常に先の見える展開であり正直やっていてつまらなく感じる。

また、ストーリー進行は基本的にフィールドのとある地点に進めば、ムービーや自動的なイベントという一方的な演出によって、ユーザーはただ見続けることしかできない。一応たいていの演出はスタートボタンで飛ばせるが、それだと物語が分からなくなる。そういった部分は、制作側がもっとユーザーに操作する快感を与えられるようなストーリー演出を手がけることができればよかったんだろうが、いかんせん、これはフロムソフトウェアの力不足。

(全てのゲームに言えることだが、ストーリーが悪いゲームというのは、プレイ後の印象も良い思い出としても残りにくい。ルーン2やアーマード・コアといったフロムソフトウェアの作品はゲーム部分が良く出来ているので、そのあたりが非常に悔やまれる。例えば、ストーリーが良いゲームとして、私はPS2のアヌビスを挙げる。まぁ、ガチで面白い作品なワケだが、ゲーム部分は中だるみが結構あったりもする。しかし、あれをやった多くの人は“間違いなく名作”とか“続編まだぁ~”とか言うのは、完成されたゲームシステムとよく出来たストーリーがあったからであって、フロムはそのストーリー部分や登場キャラクターがチープだったから、アーマードコアの販売本数が逆転裁判のように延びつづけるのとは全く逆の方向に行ってしまったんだと思う)

その次にあげるとすれば、やはりボリューム不足。
ストーリーそのもののボリュームは案外この程度でよかったのではないかと思うが、いかんせんサブクエストがやや少なかったと思う。ただ、それは一つ一つのクエストがそれだけ良く出来ていることも示しており、皮肉的に残念に感じる部分である。

あとは、ショップへ入る時の読み込みをGCにしては長く感じることぐらいか。
私的には、全体マップ移動時のインターフェイス部分はもっと面白くできたとも思う。
このゲームの全体マップは4画面分あって、それぞれが独立しているため、別のマップに移動する際には画面遷移が生じる。しかし、その全体マップは物語上、1つの大陸の上にあるので、いっそのこと全部繋げた1画面にし、カーソルを動かせば画面もスクロールするような作りにすれば、マップ移動時の煩わしさが減ると同時に、ゲームを進めていく時のワクワクをもっと感じられたのだと思う。

他に気になる部分は、たまに敵クリーチャーの攻撃でハメられる程度だが、ま、このゲームにおいては、そうならないような戦略も重要なので、そこは大目に見たい。

まぁ、そんな感じで、ストーリーの悪さがやっぱり難ではあるが他のカードゲームと比べた時、“デッキ”作成時のインターフェイスが良くできていること、そして、もっとも重要であるメインのフィールド戦闘がとても面白いことは「ゲームの根幹」がそれだけ良くできていることを物語っており、980円で買ったならば必ずそれ以上の面白さを提供してくれる“面白いゲーム”であることは間違いないと思う。

実際に遊べばよく分かるのだが、このゲームはまだまだ面白くなる要素や可能性を充分にもっており、もし多人数パーティプレイが可能な続編が発売されれば、私は必ず購入したいゲームだ。

そして、Wiiを持て余している方や、未体験の方には是非このⅡをオススメしたいと思う。

なお、WiiでGCのゲームを遊ぶ場合はクラシックコントローラーが対応していないため、GCのコントローラーとGC用のメモリーカードが必要になる。そして、蛇足ではあるが、ルーンⅡには早期購入特典として、カード一覧の小冊子が付いていた。それの画像も載せようと思い、部屋を探したのだが見つからなかった。どうやら、引越し時にどこかへやってしまったようだorz。


ルーン2のおまけ小冊子 07/7/3 更に追記:部屋の整理をしていたら、オマケの小冊子が出てきたので、うpしてみた。