炎天下の草野球・・・

灼熱の太陽が降り注ぐ

今俺は一塁ベース上・・・

ピッチャーが振りかぶると同時に二塁へ一目散・・・

乾いた土の塁間を

スパイクが残す俺のスタンス。

ハイカットのストッキング・・・

白がみるみる茶褐色・・・

輝くメットの4番打者・・・

ど真ん中をフルスイング・・・

響く快音・・・蝉時雨・・・

白球がそれを飛び越える・・・

放物線が雑木林に消えて行く・・・

それを見届け緩める走力・・・

エンドランがツーランホームラン。

先ずは2点・・先取点。

チームの皆とハイタッチ。

勝って美味しいビールかな・・・!?
ド~~~ンン!!

黄昏の号砲・・・

空気の振動が身体に響く・・・

今夜は花火大会。

街のあちこちで夕涼みの準備・・・

水を打つ老若男女・・・

心地よい風が風鈴を鳴らす。

日本人でよかった。

夏の風物詩・・・

浴衣に下駄の群集の行く先は、河川敷。

皆、汗をかきかき良い場所を目指す。

混むと承知の上で・・・

皆、夕闇を待っている・・・

まだ見える笑顔・・・

俺の浴衣の袖を軽く引く彼女・・・

その左手を俺の右手に繋ぐ・・・

「さあ、始まるぞっ!」

周りはもう藍色の世界・・・

ドオオ~~ンン!!

夜空に輝くスターマイン。

見上げる彼女の瞳に赤の光が反射する・・・

いつも花火を見ずに・・・

花火が照らす姫を見ている。
ひとしきり浜辺で戯れたあと・・・

防風林の松林・・・

木陰のベンチを陣取った。

隣でトートをゴソゴソと・・・

「 冷てっ! 」

 ” ハイ ” と、ひんやり頬にマイボトル。

喉の乾きを潤す烏龍茶・・

俺から受け取るボトルを彼女も一口・・・

 ” オイシ~ ” さりげない間接キス。

さらにトートをゴソゴソと

 ” じゃあ~ン ” と早起きの結晶・・・お弁当。

おにぎりに・・・ポテトサラダ・卵焼き・鶏カラ・etc・・・

 ” めしあがれ~っ!! ”と、どや顔・・・

「いただきまあ~す!!」と、手を合わせるポーズ。

きれいにラップされた、おにぎりを一つガッツリ頬張る。

さらに立て続けにおかずも口一杯・・・

もぐもぐとよく咀嚼。

 「 うんまっ~ 」と自然に美味しさに感激。

その一言に・・・姫、さらにどや顔・・・・

こんなにも、ほころぶ笑顔・・・

彼女も” 報われた早起き。”

と、顔に書いてある。
約束の海にあと5分・・・

パワーウインドウのスイッチを一押し・・・

その瞬間・・・潮の香りが車内に流れ込む・・・

海はまだ見えない・・・

バッハのボリウームを下げる・・・

微かに聞こえる潮騒・・・

ガードを潜るとパッと開けた眩しい世界・・・

青色のコントラスト・・・

空の青・・・

海の碧・・・

視界に飛び込む水平線・・・

地球のRを光る海がアシストする・・・

砂浜脇の駐車場・・・

海に向かって四駆を止める。

ドアを開けたその瞬間・・・

潮騒の協奏曲・・・

寄せる波音・・・砕ける波しぶき・・・そして引き潮・・・

同じリズムの繰り返し・・・

”わ~着いたね~きれ~い”

眠り姫のお目覚めです。
時速100km/h 

四駆の風を切る音・・・

海へと向かうハイウェイ・・・

後部座席にトートバック。

助手席のノースリーブのワンピ・・・

一つに縛る後髪・・・後れ毛から・・・

いつもと同じコロンの香り・・・

bgで流れる G線上のアリア・・・

こっくりとこっくりと首が船を漕いでいる・・・

トートの中身はお弁当・・・・

今朝は早くから起きたらしい・・

俺に気遣い・・・顔を左に向け・・・

ゆっくりゆっくり揺れている・・・

キラリと光るパールのピアス・・・

寝かせてあげよう・・・

約束の海まで、あと1時間・・・

俺はバッハにお付き合い・・・