彼はいつもよりもずっと早く帰ってきた。
どした?
なんか話があるんでしょ?
彼は察知していた。
なんでー?
お前が呼び出すなんてめったにないから。
なんかあるんだろうなって。
そっかー。
たわいもない話しして。
心臓が壊れそうだった。
妊娠しました。
えっ。まじで。えっ。
彼は自分の心臓に手を当てて、僕の手を彼の心臓に持っていった。
生きてた中で一番ドキドキしてる。
と彼は言った。
顔は笑ってた。
彼が言った。
先に言われちゃった。
どうしよ順番が狂っちゃったな。
この前話そうって言ってたぢゃん。
ちゃんとお前と話したかった。
僕とさよならしてから最近まで彼女がいた話。
その彼女と付き合うきっかけ。
彼女と別れた理由。
彼女と僕を常に比べていたこと。
僕といる間の彼の想いなど。
彼が抱えていた僕への劣等感。
彼の自信のなさなど。
たくさんたくさん話した。
9月の誕生日に告白して10月のバリで指輪パカーっしてプロポーズしようと思っていたと。
妊娠心から嬉しい。
子供欲しかったけど、どこかで諦めてたと。
こんな俺で良ければ。
人生共に歩んでください。
となりにいてください。
彼はそう言って僕を抱きしめた。
何度も何度も夢見た景色。
こんな日が来るなんて。
神様になんてお礼をしよう。
世界で一番愛している彼。
その彼の子供を授かり。
その彼と共に生きる。
こんな幸せなことはない。
また幸せの絶頂で怖い。
世界で一番愛する彼のベビちゃん。
どうか元気で健康に育ってください。