パンドラの箱というものがあります。🎁
ゼウスがパンドラに、
あらゆる災いを封じ込めて人間の世界に持ち込んだものです。👿
これをあけてしまったために、
あらゆる不幸が飛び出してしまいました。
慌ててふたをしようとしましたが、
箱の中から小さな声が聞こえてきます。
「お願いです。私も出してください」
「お前の名は何だ」
「私の名は希望です」
希望を持つことは不幸なことなのでしょうか。
希望はいい意味で使われていることが多いと思います。
甲子園で、
高校野球の校歌を聞いていると、
希望という言葉がよく出てきます。⚾️
かなえられてこそ、
いい意味での希望かもしれませんが、
かなわぬ希望は不幸なのかもしれません。
私の家の希望の星は長男でした。
私は5人の男兄弟の末っ子として生まれました。👶
私が生まれる前に、
二人の姉さんが死んでいましたし、
私の弟は生まれた直後に死にました。
一度でも息をしていれば、
生後死亡ですし、
息をしていなければ死産です。
弟の場合そのどちらかであったかは分かりません。
長男は私より20才年上だったので、
兄というよりは父親みたいな人でした。👨
私の父が学校の先生だったからかどうかは分かりませんが、
長男に期待して相当厳しくしごいたそうです。
中学までは運動抜群、
勉強もできたらしく、
それだけに父は過剰な期待をしていたということでした。
長男は、
地元の進学校の都立戸山高校を受験しました。
ところが補欠の8番になってしまいました。
8人は入学を辞退しないだろうと、
兄は自分で勝手に他の二流校に入学の手続きをしてしまいました。
しかし、
戸山高校の方は補欠の繰上げで兄は合格になったのですが、
すでに他の学校に手続きが済んでしまっていたので、
戸山高校に入ることはできませんでした。
父は生涯このことを悔やんでいました。
兄の人生はこれから崩れていきました。
高校では空手を覚えて、
じきにその地域の不良のボスになりました。
高校生のケンカですから、
怪我人も出ますし、
兄のかかわったけんかで死んだ人もいたらしいです。
何度か警察の世話になったようです。🚓
こんなどうしょうもなくなった兄でも、
父とは母は怒ることもせずに、
兄が立ち直ることに一縷の希望を持っていたようです。
中学までは模範的な生徒だったのです。
何が兄を狂わせてしまったのでしょうか。
高校では陸上で国体に出たくらい運動神経がよかったのですが、
素行が悪すぎてどこの大学からも推薦は来ませんでした。
高校を卒業してからはますます暴力的になりましたが、
一度殺されかかってから少しおとなしくなったようです。
女にもそこらじゅう手をつけましたので、
恨まれた女性から、
後ろからひもで首を絞められ、
事切れる寸前に発見され九死に一生を得たそうです。
こんなめちゃくちゃな兄貴でしたが、
ホ小さい私をとても可愛がってくれました。
その兄も結婚し、
子供が3人できました。
とくに3人目の女の子は溺愛していました。
このころから兄はだんだんまともになり、
奥さんと子供を大事にするいいお父さんになりました。
父とは母は、
昔の兄が帰ってきたと涙ながらに喜んでいました。
一縷の希望がかなったのです。
しかし運命とは本当に残酷なものです。
仕事も家庭もいちばん順調にいっていた38才のときに、
兄は突然急死してしまいました。
あまりにも短すぎる一生でした。
こんな悲しいことがあるんですねえ。
家族一同がっかりしてしまいましたが、
兄がいちばん可愛がっていた一番下の女の子は高校で卓球の選手としてインターハイで活躍し、
今はいいお母さんになっています。👩
可愛いネコちゃんの写真です。
ペットは可愛いよね