私はスポーツドクターの第一号でしたので、
いろいろなスポーツ関連の仕事をさせられました。
水泳連盟では国体の役員をしていました。🏊
器械体操でも役員をしていましたが、
日本大学へ行って直接選手を診ておりました。🏫
どんなスポーツもそうですが、
スポーツを仕事にできる人はほとんどゼロです。<ゼロ>
国体クラスの選手になりますと、
趣味でスポーツをやっている人はいませんので、
彼らからスポーツを取ると何も残りません。
オリンピックに出るような強い選手は大学の教員ですとか、
企業がコーチとして雇ってくれますが、
それは本当にごく一部です。
私はスポーツドクターをやって、
スポーツ選手の将来の不安定さが気の毒に思いました。
器械体操の女子の選手で、
腰を痛めて悩んでいた人がいました。👩
「腰のためには器械体操やめたほうがいいかもしれませんよ」
「そうはいかないですよ。体育推薦で大学入っていますから」
「でも卒業はできるでしょう」
「卒業はできても就職できません。少なくとも国体には出ないとだめです」
「なぜ国体でないとだめなの」
「国体に出れば、地元の公務員にはなれると思います。一応県の代表として貢献したことになりますから」
「でも国体に出る自信あるの」
「腰が痛くなければ出られると思います。
私は3年生なのでチャンスはあと一度しかありません。
何とかならないでしょうか」
「国体だけに的を絞って、あとの試合は捨てるしかないだろうね」
「それでいいですよ。世界選手権に出られるわけではないですから」
「一発勝負になるね。ミスしたらおしまいだけどね」
「やってみるしかないですよ。腰の痛みだけ抑えてください。
国体に出られたら体操やめますから」
もともと力のある選手だったので、
国体には出られましたが、
国体での成績は無残なものでした。
それでも地元の役所に就職ができたそうです。
若いスポーツ選手には必ず言うことにしています。
スポーツだけしかないのはだめだよ、
と。
でも、
ほとんどの選手はスポーツを取るとゼロになってしまうようです。
お花の写真です。
お花は癒されるよね