若いころはこの日が好きではありませんでした。
だってほとんどチョコレートはもらえませんでしたもの。
せいぜい義理で後輩が二つか三つくれたぐらいでした。
仕事をするようになると義理チョコの数が多くなりましたので、数だけは増えました。
今までにいちばん少なかったのは一個、結婚前に今の女房からもらったものでした。
このときだけは一個でも価値があったかもしれません。
今までに一番多かったのは100個、何でこんなに多かったのでしょうね。
この年は、女子医大と看護学校で講師をしていた年でした。
袋に詰めて持って帰りました。
こんなときもあったのですねえ。今は昔の物語になってしまいました。
いちばん感動したチョコレートはバラの花のチョコレートです。
花びらから葉にいたるまですべてチョコレートでできていました。
プラスチックの容器に入っていましたが、まさに芸術品でした。
家内からもらうチョコレートは別にして、いちばん嬉しかったチョコレートは6才の女の子からもらったチョコレートでした。
患者としてずっと診ている子で、いつも難しい症状で悩んできた子なので、この子がチョコレートの真ん中にチョコレートで、「ありがとう」と書いてあったのをもらったときは、うれしくて涙が出そうになりました。
たかがチョコレートではありますが、いろいろな思い出がつまっています。
来年のバレンタインも、義理チョコしかないでしょうが、それでもけっこう楽しみにしています。