いつも相談に行っていた弁護士から、

姿勢を感じなかった俺だったけど、タイミングが悪くこの日は確か土日だったと思う。


土日にやってる弁護士事務所の数なんか限られているが、異議申し立ての期日もある。さらに連休を挟んでいるので申し立て期日まではろくに日数もない。


が、行動しない事には話にならない。

まずは一件目、電話をかける。


気だるそうなおじさんが電話に出る。

「あー、はい、大丈夫ですよー?」

セカンドオピニオンという言葉が一時期流行ったが、弁護士も同じだろう。

セカンドだろうがサードだろうがこちらは少しでも武器が欲しい状態である。



電話した当日でも大丈夫だという事だったので、

とりあえず夕方、相談に行ってみる。


俺は事の流れと審判文、今まで提出した書類等を見せながら話をしていた。

ここで弁護士から言われた。

「まず、何故最初の段階で弁護士に依頼をしなかったんですか?」

…え?

何でかって…?

いや、最初に相談に行った弁護士から「面会交流調停で弁護士を立てるのは費用対効果が薄い」って言われたし、自分でもこんな事にわざわざ…と思っていたからなんだけど…

「…まぁ、自分でなんとかなるかな、と思っていたんで…」

「それで、どうなりましたか?

裁判所なんて信用しちゃいけませんよ。連中はこちらがシロウトだと分かると適当に進めますからね」


今までにない話だ。

しかしどういう事だ?

裁判所は信用ならんと?


「この審判が出された事について、ちゃんと調査はされましたか?」

「えぇ、調査、されてましたよ?

あの、部屋で話し合ってるヤツですよね?」

「いえ、それは調停ですね。

調査です。調査調書とか見たことありますか?」


は?調査?

何だそれ?

調査調書?


「その反応はおそらく調査はされなかったようですね。審判まで何回の調停が実施されましたか?」

「た、多分4回か…そのくらい…」

「調査もなく、たかだか数回の調停で審判を下すなんてあまりにもお粗末ですねぇ。だから裁判所は信用しちゃいけないんですよ」

「ち、調査って、やったらやった報告ってあるんですか?」

「基本的に調査は秘密裏に行われる事はありません。調査しました、とか調査しますって話がなかったなら、まぁ調査はしていませんね」



知らない話しか言われない。

なんなんだ?

今まで相談していた弁護士から聞いたこともない話がバンバン出てくる。



「異議申し立てはまぁ1人でも出来ますが、ひとりで手続きを進めたとしても痛い目を見るのはもうよくご理解いただいてると思いますので…」



親身、というには淡々としているが、

的確に事実だけを伝えてくる。

状況から判断した事実としっかりと裏付けされた根拠で理詰めしてくるタイプの人間だと言う印象。


この時点で俺の心は決まっていた。