「家族の生活の場は二の次」という時代があった今のような生活スタイルになる以前の住まいでは、何が大切と考えられていたのかといえば、それは客間。伝統的な住まいでは、家族の生活の場は二の次で、一番大切な行為は接客であり、それゆえ、接客の場としての応接室や客間と称される部屋がもっとも重視され、また、もっとも贅を尽くしてつくられていた。"居間本位"は"客間本位"という古い体質を打ち破ってようやく獲得した新しい住まいのあり方であったのだ。だからこそ、現在、居間がもっとも大切という考え方が強く息づいているのである。