あの瞬間…

初めての子育てが始まってもう一年と９ヶ月

久々に産まれた頃～２，３ヶ月頃の写真を見ると

本当に小さい

まだやっと首がすわった頃に私にだっこされて

よく一緒にこたつに入ってた

じっとして何もかも私や夫に任せきりだったあの頃

夜泣きもせず、たいした病気もなく

スクスク毎日育って行く可愛い姿を見せてくれてた

ちいさなちいさな娘を連れて

毎日いろんな所を散歩した。

あちこちすぐにどこかに行ってしまう娘を追いかける毎日になるなんて

想像も出来なかったあの頃。

くるぶしまであったズボンが

膝下になってしまったのに気がついた時は本当に驚いた。

まだ小さいけどもし

また私が妊娠すれば

お姉ちゃんになるんだなぁ

可愛い妹を作ってあげたいし

やんちゃな弟も作ってあげたいし

なによりあの出産をもう一度経験したい

いろんな事を我慢しなくちゃいけなくなるけど

命を産めたあの瞬間をもっともっと味わいたい

子だくさんの家族は大変だけど

それだけの幸せを持っている

それを分からせてくれた娘

ありがとう

ギュっと…

私を見て　ニっと笑い歌を歌い始める娘

目を見つめて私に聞かせてくる姿を見ていると

本当にスクスク健康に育ってくれてるなと安心感が。

初めての子育てで

ほとんど一人きりの子育てで

たまにイライラしてしまい

少しの事が気に障って夫にも子供にも怒鳴ってしまう事もあって

その後は言いようもない後悔だけが

なんてダメなんだろうと言う寂しさだけが

心にどんどんどんどん積もって行きます。

そんな時

あんなに怒ってしまったのに

いつもと変わらない笑顔で私に抱きついてくる

娘の暖かさ・柔らかさ・素直さに

どんなにどんなに助けられる事か

私もギュっと娘を抱きしめて

安心して心もポカポカ

気持ちにゆとりがなくなったら

口を動かすより

まずは娘をギュっとしよう

一番に…

自分が一番の夫

妊娠した時一番に思ったのは

立ち会い出産

命がやっとやっと産まれる瞬間

その時を見ればきっと

一番になるものは自分以外にも出来るんじゃないかと

そうあって欲しいと願って


陣痛が来た時

お腹がいつもより張って気分も悪く

でも寝てれば治るかもとゴロゴロゴロゴロ


「産まれるのかな」

と言いながら仕事に行ってしまった夫

初めての出産

地元から遠く離れた土地に一人きり

布団に入ろうか迷いながらこたつにもぐってゴロゴロゴロゴロ……

でもちょっとおかしい…

もしかしたらゴロゴロしてる場合じゃないのかも…

あまりの苦しさに不安になりながら時計をみていると

６，７分おき…　

たしか１０分おきになったら病院に連絡するんじゃなかったけ…

く～…！また来た…

初めてってもっとゆっくり進むんじゃなかったの？

病院に電話して夫に電話して

シャワーを浴びてタクシーに乗る頃にはもういきみたくてたまらない

病院に着き看護婦さんの顔を見た時は嬉しくて嬉しくてでも苦しくて苦しくて…

一人陣痛室で戦ったのち

助産婦さんたちにかこまれて分娩室で戦って

命がやっとやっとやっとやっと産まれてくれた

一人だったけど一人じゃない

仕事を終えた夫の嬉しそうな顔も忘れられないけど

いまだに一番は自分らしい

目標

二人目こそは立ち会い出産！

手を握られる距離に…

娘を出産して一番思ったのは

（絶対死にたくないし死なせたくない）

同じ地球上にいればいつか会える事もあるだろうけど

もしどちらかが死んでしまったら

あの世とこの世は遠すぎて

抱きしめる事もほおずりする事も手を握る事も

もう２度とできない

（神様、お願いだから同じこの世にいさせてください）

ふにゃふにゃの小さな娘を見つめ何度何度思った事か

いつでも隣に眠る我が子を抱きしめられるのを

どんなに幸せに思った事か

今１歳９ヶ月

丸い暖かいこの存在を

いつまでもこの目で見ていたい

娘が生きてる姿をずっと見続けられれば

同じこの世にずっといられれば

こんな幸福なことはない

どんなに大きくなっても

手を握られる距離にいられますように…