滋賀県で人口が増えてるのは、大都市近くのわりには自然環境が、よいからだといわれている。そこで環境問題の専門家が知事になったのだから、県政の中心に環境を置いた政策をやったらどうかと思うのだが、これは、経営学でいうコアコンピタンスである。


「コアコンピタンスが競争力をつくる」は、得意な分野に経営を再編成することで、日本の大企業でも、90年代の後半から盛んに行われたて成功した。


これは自治体でも同じである。地方分権化、地方の特色を出して自治体を経営しなさい、脱金太郎飴でやりなさいは、現在とても必要なことになっているが、実際には、進み方が遅い。どの県も、こうした点で競って欲しいのである。


滋賀県知事は、5人目の女性知事だと、新聞ははやし立てているが、それで思うのは、大阪と北海道である。両方とも通産官僚で、彼女らのコアコンピタンスは、産業政策だ。そこで、地域に合った新産業政策を打ち出すのは、得意芸のはずだが、それをやらなかった。就任直後からこれに集中していれば、今頃は、あんな疲弊した経済にならなかっただろうにと思う。


自治体には、360度方向にいろんな仕事がある。こうした状態で、勉強ができ、一流大学を卒業した能吏な男性は、調整好きとなり、この能力で出世するが、これでは一点に集中することなどできない。


それに比し、女性なら、これができる資質がある。ちょっと前に、アメリカの大企業で、過去のビジネス文化を捨てて、創造的な文化をつくり、大企業内文化大革命のリーダーに女性がなっていることを書いたが、これなんかも、文化創造は女性で! である。


滋賀県知事は、公約に掲げた新幹線駅建設反対を実現するために、自民党で固めた議会を、ていねいに説得すると言ってるが、こういうのは消耗するだけで、エネルギーを枯渇し、得意なコアコンピタンスにまい進する気持ちをなえさせる。


小泉さんだって、今頃公共投資を公約にかかげるなんてどうかしてる、敗北に反省し、来年の統一地方選挙と参議院選挙のときには心しようと言っているぐらいだから、誰かに任せて、コアコンピタンスに突進したらどうか。


現在は、そんな首長の出現が、待ち望まれてる。そのうち、誰かがやることなのだから、滋賀県が、第一号の名誉を手にし、滋賀県モデルを全国に発信すればいいのに、滋賀県には、幸運が到来したのだと思う。