外へ出かけたいと話すと、家族は会議を始める。
色々段取りがあるらしく、僕にはわからない。
田島がいればいいのかと思っていた。
というのも、僕はわかってなかった。いわゆるお金持ちになっていたということ。
誘拐だのなんだの。
でも、母や兄と違って、僕は秘蔵っ子として顔ばれしていないのだからメンドクサイ護衛などつけると、逆に目立つのに。
それを、会議で何気に話したら、田島のみで、出掛けられることになった。あっけなく解決。
僕は、僕の好きな時に、出掛けられることになった。
お小遣いを持って、田島と共に、門の外に。
僕は、見るもの全てが新鮮で、ほぼ毎日、外へ出掛ける。
そして、知った。
痛みのない僕には、外がどれ程楽しくて残酷か。
事故、うちひしがれる人。裏道の人気のないところで、何かが起こってる。
泣いたり、叫んだり。
笑い声も聞こえる。
楽しそうな笑い声と、むき出しの敵意に満ちた笑い声。
感情が溢れてる。
僕の中の何かが、少しずつ変わっていく。
何を、僕は、知らなければならないのか。
僕は…。
痛みを…。
悲しみを。
知らなければならない。