用を済ませて、手を前方へ伸ばした。





その手に引っ張られ、お辞儀をするように体が少しだけ前へと折れた。





胸の中に溜め込まれていた僕の歴史は、一瞬にして、消えた。











用を足して、水を流そうと取っ手に手を伸ばした。




その反動で、軽く前かがみみたいな状態になった。




そしたら、胸ポケットから1年以上使い続けていたメモ帳が、ポトリと便器に落ちた。






あ~ぁ。