夜道を歩いていると
知らない人から
「女の子に腕を掴まれたら
知らない土地に
連れて行かれるよ!
そこは誰も知らないトンネルがあって
その先に
行ったら帰れない場所が
あるんだとさ」
と言う
行ったら帰れない場所
一体、どんな場所なんだろう
しばらくすると
後ろから声がしてきた
「待て〜!」
男に追いかけられている
女の子が走って来た
どう見ても
女の子のほうが
パワフルで
男は追いつけない
女の子がこちらへやって来た!
「あの男、悪者だから
逃げるよ!」
と、腕を掴まれた
知らない人が言ってた
女の子って、もしかして、この子???
と思いながら
一緒に逃げる!
「あの交差点を渡るよ!」
渡ると
信号は、赤になって
追ってくる男は
「チクショー!!!」と叫んで
止められてしまった
「どこへ行くの?」
と、走りながら聞くと
「トンネルに入るよ!」と言う
行ったら帰れない、あのトンネルか?
いやいや、マズイだろう
急いで
手を離そうとするが、離れない
ついにトンネルの中に入った
入ってしまった!
「どこへ行くんだ!」
と言う、自分に気づいた
声が、男になっている!
えっ? オレ、男になったんか?
なんでだ???
しばらく行くと
左手に
光が漏れているのが見えた
「なんだ?これ!」
大きな鉄骨づくりの、
どう見ても、あのUFOとは
まったく違う乗り物がある
「あれ、どこへも飛んでいけるよ」
と言う
「UFOなの?」
「UFOじゃないよ
どこへでも行けるんだよ」
ワープして行くのか?
見たこともない
不思議な乗り物だった
「もっと先に行くよ!」
依然として
女の子の手は
腕を掴んだまま、離れない
しかし、このトンネル
どこまで続いているんだ?
走る、走る! 🏃♀️🏃♂️
すると
「あっ!トンネルの向こうが
土砂崩れじゃないか!」
確かに、土の壁だ
「どうするんだ?」
「トンネルの天井を抜けるのよ」
天井?
「あの塞がっているところに来たら
1.2.3と言って飛ぶのよ
さあ、行くよ!
1.2.3!!!」
うわっ!!
飛んだ!!
天井が開いた!!
外は夜
月明かりがトンネルの中に
射し込んだ
「あなたはもう、
人生の暗く辛い修行が終わったの
これからは
あの月に帰るまで
好きな事をやるといいわ」