ほぼ寝たきりで、トイレ以外は介護ベッドが置いてある部屋から出ることはなかった母。
亡くなる2〜3日前の朝、リビングに行きたいと久しぶりにリビングへ。しかし歩くことがままならず、母の前で手を握りながら転ばぬよう歩く姉。カクンカクンと膝が折れて今にも座り込みそうだったので、母の後ろで椅子を持ちながら母に付いて歩きました。
行き先はよく分からず、リビングの中をウロウロ。その様子をみんなで見守っていました。その途中、元気だった頃、朝に必ず座って髪を整えていた鏡台へ向かいました。せん妄で意思疎通もままならない時でも、髪の毛をとても気にしていた母。鏡台に座り髪を触るので、姉がいつもの髪留めを使いセットしてあげていました。
それが終わるとまた歩き始め、2、3歩進んでは止まり、後ろですぐさま椅子をスタンバイ!いつでも座れるようにし、今でも見事な連携プレーだったなと思います
そして、おそらく母が向かおうとしたのはキッチンでした。でもキッチンに行くためには、愛犬が侵入しないようガードを付けていたので、それを乗り越えねばなりません。それはさすがに難しいだろうとなりました。そして疲れた母は一度ソファーで眠り、その後はまた介護ベッドへ。その日が、母がリビングに来た最後の日となりました。
体が思うように動かず、言葉もほとんど出すことができなくなっていたけれど、いつものルーティンで朝の身支度をしてご飯の準備をしようとしてくれていた母。本当に働き者です。
今思えば、ガードを外して少しでもキッチンに立たせてあげればよかったなと思います。