ブランコに乗れないんじゃなくて、        乗らないんです( ̄□ ̄;)

ブランコに乗れないんじゃなくて、        乗らないんです( ̄□ ̄;)

**キキの心情**
まずブランコ乗らねえし(  ̄っ ̄)
ブランコ酔うから乗りたくねえし(^^)
4回宙返り?そんなもんできねえよ、b
ピピと同レベルでいいし(`・ω・´)
世界一じゃなくたっていいし('_')

団長さん、世界一になったらお菓子くれる?

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そのサーカスで一番人気があったのは、

なんといっても、空中ブランコ乗りのキキでした。


サーカスの、大テントの見上げるように高い所を、

こちらのブランコからあちらのブランコへ、

三回宙返りをしながら飛ぶと、

テントにぎっしりいっぱいの観客は、

いつも割れるような拍手をするのです。


―キキの視点

あーあ。

割れるような拍手で

耳つぶれそう。

もう、いい加減拍手やめろよ。

こっちは集中したいんだよ。

拍手なんてされたら耳壊れるし。

少しはこっちの身にもなれってんだよ。


「まるで鳥みたいじゃないか。」

「いえ、どちらかというと、ひょうですね。」

「いや、お魚さ。あゆはちょうどあんなふうに跳ねるよ。」


―キキの視点

は?

動物に例えてんじゃねえよ。

人間なんだよ。

お前らと同じ人間だわ。


人々はみんな、キキの三回宙返りを見るために、

そのサーカスにやってきました。

どの町へ行っても、

キキの評判を知っていて、

だからそのサーカスは、

いつでも多入り満員でした。


―キキの視点

人ごみ嫌いなんだよ。

いつも人ごみ避けてんのに

なんで仕事で

こんな目に合わなきゃいけねえんだよ。

嫌がらせか?

そんなに人くんなよ。

小さいテントにいっぱい入ると

暑いんだよ。

出てけよ。


「なあ、キキ・・・・・・。」

団長さんはいつも言っておりました。

「おまえさんは、世界一のブランコ乗りさ。

だってどこのサーカスのブランコ乗りも、

二回宙返りしかできないんだからね。」

「でも、団長さん。いつか誰かがやりますよ。

みんな、一生懸命練習していますもの。

そうしたら私の人気は落ちてしまうでしょう。」

「心配しなくてもいい。

誰にも三回宙返りなんてできやしないさ。

それに、もし、誰かがやり始めたら、

おまえさんは四回宙返りをしてみせればいいじゃないか。」


―キキの視点

うっわ~、だりいな。

団長さんよお、できるわけねえだろ?そんなの。

四回宙返り?

練習すんのもだりいわ。

あーあ、絡むのめんどくせー。

それに、世界一とか何なんだよ。

その言葉で調子乗らせて、

四回宙返りをさせよう、ってか?

無理無理。

三回宙返りで限界でーす。

こっちだって、

ぎりぎりでやってんだよ。

少しは考えろよ。

ろくに給料払わないくせに、注文ばっかり

言ってんじゃねえよ。


団長の前で猫かぶるとめんどくせえな。