出会い
生まれて来なければ良かった。
なんて、何度思ったとか。
今日も隣の部屋で愛を確かめあっている母と知らない男。
その声が、振動が、伝わってくる。
毎日のことで、もう慣れてしまったけど、気分のいいものでは無い。
私はそっと家を出た。
フラフラ歩いて、大きな川の橋に手をかける。
「ねぇ、何してるの?」
声のする方へ顔を向けると、綺麗な女の人が立っていた。
「もしかして自殺しようとしてるの?」
なんでこうもこの人は聡いのか。
ただ、橋に手を掛けていただけで何故断言できる。
「だって、あなた。すごく悲しそうな目をしてるから。」
ココロの声が漏れていたらしく、女の人はそういって私に近づいてきた。
「なんで自殺しようとするの?」
「…あなたには関係ない」
「あるよ」
「なんで…」
「あなたとここで出会ったから。」
「は?」
「ここで出会った以上、私はあなたの自殺を止める。」
「なんで。赤の他人じゃん。」
「それでも、助けを必要としているのなら、私は助ける。」
「そんなのただの綺麗事」
「今は綺麗事かもしれないけど、それであなたが自殺を辞めてくれるのなら、綺麗事じゃなくなるよ。」
「なんで赤の他人にそこまで関わろうとするの。ほっといてよ」
「ほっとけない。」
「なんで」
「私…あなたに一目惚れしたから」
「はぁ?」
「ねぇ、家に帰りたくないなら私の家に来てよ。」
これが私とあなたの出会い。
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ご無沙汰してます。
前から投稿しようか迷ってたやつです。
ちなみに、続編の予定はないです。
希望するかたがみえたら書くかも?です
私の中でこの小説のカップリング候補がふたつあって、迷った挙句表記するのやめました!笑
仕事と学校で忙しいので、更新頻度は遅いですがコツコツ書いていきますので、よろしくお願いします。