2024年6月8日

 

市川市文化振興財団

スペシャル・ブラスバンドコンサート

市川市文化会館大ホール

 

 

【プログラム】

◆デュカス ”ラ・ペリのファンファーレ”

◆モーツァルト ”グラン・パルティータ(13管楽器のセレナード)K.361”

—休憩ー

◆ショスタコーヴィチ(大橋晃一編曲) ”祝典序曲”

◆コダーイ(大橋晃一編曲) ”ハーリー・アノーシュ”

◆ラヴェル(大橋晃一編曲) ”ボレロ”

 

【指揮】田中祐子

【主要メンバー】
・コンサートマスター/福川伸陽(元NHK交響楽団首席)
・クラリネット/松本健司(NHK交響楽団首席)
・フルート/神田勇哉(東京フィルハーモニー交響楽団首席)
・オーボエ/早乙女潤(トゥルクフィルハーモニー管弦楽団)
・トランペット/長谷川智之(NHK交響楽団首席)
・トロンボーン/青木昂(読売日本交響楽団首席)
・ファゴット/長哲也(東京都交響楽団首席)
・ティンパニ・打楽器/篠崎史門(神奈川フィルハーモニー管弦楽団首席)

 

 

 これはなぜチケット買ったのだったか。ま〜低価格で近場の開催、ボレロをブラスバンドでどう演奏するのか興味があった、このティンパニスト(篠崎史門;神奈川フィルハーモニー管弦楽団首席)は以前ティンパニ協奏曲を聴いたことがあるが、現代曲であったのでもう少しきちんと聴いてみたい、この指揮者(田中祐子)は初めて、とかそういう理由だったと思う。

 

 後からこの同じ日にけっこう行きたいコンサートを発見して、うむむと思ったものの、買ったものを無駄にするのももったいないという思いで行ってきました。

 

 いや〜これはいいものを聴かせていただきました。大満足。

 

 特に最後のボレロ。これがストリングスなし(正確にはコントラバスが1台だけブラスバンドの一員として全曲参加)で演奏されているとは、特に前半は信じられない思いで聴いていた。

 弦楽の部分を単純に管で置き換えるのではなく、いったん曲を分解して再度管楽器でなにがいちばんよい音になるかを再構成するのだと、編曲の大橋さんが語っていた。感服しました。

 

 大半が市川市文化振興財団新人演奏家コンクール入賞者で、それに有力オーケストラの首席クラスを集めて編成したバンドであるようだ。若い人たちの真摯な演奏に圧倒され、加齢とともに涙腺の弱くなっている私は涙をこらえることができなかった。

 通常であれば60~70人のオーケストラで演奏する曲を、33人のメンバーでこなすのは大変だし、編曲も苦労が多かったはずだ。フルオーケストラならば6~7人はいる打楽器パートが3人しかいない。それぞれがそれこそ走り回って3~4種の楽器を分担するようすは見ていてはらはらするほどであった。

 

 2曲目のモーツァルトは、13人の管楽器がほぼ全員吹きっ放しという過酷な曲であった。リハーサルから含めればたいへんな負担であったに違いない。

 

 会場に着いたとき、ブラスバンド部員と思しき中学生の集団が大挙列をなしており、あ、失敗したかと思ったが、演奏の支障になることはもちろんなかった。

 ひきかえ、私のすぐ後ろの列にいた母子が、演奏中に会話をすること数度。いかに小学生といえど、演奏中に会話をするなどもってのほかと、教育するのが親の務めではないか。それだけが唯一残念な要素であった。

 

 

 

 

 市川市文化振興財団では毎年新人演奏家コンクールを開催し、才能ある若手音楽家を発掘し、さらに演奏の機会を提供している。この「スペシャル・コンサート」も2022年以来恒例となり、すでに来年のスケジュールも決定済みと。しかもピアニストとして阪田知樹さんを呼ぶという。

 

 行かねば