2024年4月22日
初代国宝級イケメン第一位 山﨑賢人
平安のハリー・ポッターという趣。退屈だった。
山﨑賢人初め染谷将太、板垣李光人、奈緒ら若手有力俳優をメインに据え、脇には北村一輝、國村隼、小林薫といったベテラン俳優で固めるという贅沢な布陣ながら、ストーリーは底が浅く、CGはショボい。
ミステリ色を加えようとして中途半端に終わり、もっとファンタジーに徹した方がマシだったのではないか。
山﨑賢人、肩幅が狭いのに驚いた。細い。彼が国宝級イケメン第一位に選ばれたのは2015年というから20歳そこそこの時。このイベントまだやっているのかどうか知らないが、まぁヲヂさんは最近のかっこいいハンサムな若い男はキライだから興味はない、と言っておく。昨今のルッキズム批判の風潮の中、これが 国宝級イイ女 なんていうイベントだと炎上するんじゃないか。
染谷将太は、NHK大河ドラマで織田信長を演じると聞いたとき、あの丸顔で信長か、と思ったら見事な演技で先入観を払拭してくれたのが印象的であった。それに比べるとこの映画では、いささか冴えない男ぶりで、もちろん重要な役どころとはいえ、彼のよさが十分に生かされていたかどうかはやや疑問。
キングダムシリーズで共演している大沢たかおが山﨑についてコメントしているのを聞いて、山﨑が胸を詰まらせて嗚咽に近いようすを見せた。なんと純な俳優なんだろうと感心した。役や作品に真摯に向き合うまじめな役者だという評判だそうで、好感度大であるぞ。
だからかどうか、山崎賢人、ご活躍ですね。キングダム、ゴールデンカムイ、そしてこの陰陽師。
映画のキングダムはすでに第4作までが作られた。原作はまだ連載中だから当分映画も製作されていくのだろう。ゴールデンカムイは原作はすでに連載は終わっているらしいが、映画版はその原作12巻のうち第3巻の前半までらしいからこれもシリーズ化されるのだろう。評判も悪くないそうだし(私は見ていない)。
この陰陽師はタイトルからして「陰陽師ゼロ」だ。夢枕獏の小説を原作としているとはいえ、この作品は安倍晴明が青年期の部分だけを映像化しているから、今後続編が作られていくことが予想される。映画の終わり方自体それを感じさせるものだった。
少なくとも、NHKで放映中の『光る君へ』に登場する安倍晴明役のユースケ・サンタマリアよりは適役でありましょう。そういえば、「あべのせいめい」とばかり思っていたが(この映画でも「せいめい」と呼ばれている)、NHKでは「あべのはるあきら」の読みを採用しておりますね。
藤原定家を「テーカ」と読んだり、近代でも徳川慶喜が「ケーキ」、木戸孝允が「コーイン」、榎本武揚を「ブヨー」と読むことはあるから、その程度のことだろう。有職読みだの故実読みだのと肩ひじ張る必要はない。
夢枕獏の小説をベースにしたものとしては、岡野玲子の漫画「陰陽師」全12巻(平成11年~ 白泉社)がある。我が家に全巻そろっているからこちらも見ておくことにしよう。
【キャスト】
◆安倍晴明 演 - 山﨑賢人;本作の主人公で、陰陽寮の学生。賀茂忠行の弟子として陰陽寮に入寮したものの、陰陽師そのものに興味を抱いておらず、授業も真剣に受けようとしない。
◆源博雅 演 - 染谷将太;醍醐天皇の孫。雅楽家として高名であり、龍笛や琵琶を始めとする和楽器を自在に弾きこなす。
◆徽子女王 演 - 奈緒;醍醐天皇の皇孫。10歳の頃より務めてきた伊勢神宮の斎宮を退いた後、京に戻る。従兄弟である博雅を慕っている。
◆平郡貞文 演 - 安藤政信;陰陽寮の学生。農家生まれの45歳で、故郷に残してきた母を助けるために帝の陰陽師となるべく得業生を目指している。
◆橘泰家 演 - 村上虹郎;陰陽寮の学生。成績優秀な得業生ではあるが、上から目線の傲慢な性格の持ち主。
◆帝 演 - 板垣李光人;醍醐天皇の第十四皇子。兄の朱雀天皇崩御後に村上天皇として即位。従兄弟の博雅から龍笛を教わっている。
◆賀茂忠行 演 - 國村隼;陰陽博士。暦家としても名高く、陰陽寮では教師として陰陽道を教えている。出世欲が見られない弟子の晴明のことを案じている。
◆惟宗是邦 演 - 北村一輝;天文博士。天文や陰陽道としての心得を教える天文道の専門家。
◆藤原義輔 演 - 小林薫;陰陽寮のトップである陰陽頭であり、帝の陰陽師「蔵人所陰陽師」に最も近いとされる陰陽師。
【スタッフ】
◆監督・脚本 佐藤嗣麻子
◆原作 夢枕獏『陰陽師』シリーズ
◆製作 守屋圭一郎
◆ナレーター 津田健次郎
◆音楽 佐藤直紀
◆主題歌 BUMP OF CHICKEN「邂逅」
◆撮影 佐光朗
◆編集 穗垣順之助
◆制作会社 ROBOT
◆配給 ワーナー・ブラザース映画
2024年4月 日本 上映時間 113分