2024年1月9日

 

 いや〜胸悪くなる映画でしたね。最悪。

 今年2本目だけど今年のワーストは決まり。

 

 夜にコンサートに行く予定があって、普段なら昼は美術館にでも行くところだが、三連休の後の火曜日はどの美術館も軒並み休館。もう少し早く家を出て、寄席に行けばよかった。

 

 時間つぶしとはいえ、これは時間と金を無駄にした。

 

 

 監督のイーライ・ロスの好みらしい残酷な殺人シーンの連続。

 まあこういう映画が好きな人もいるんでしょう。以前はスプラッタと呼ばれていたジャンルなのか。この監督の映画は2度と見るべきでないということを学習したことにしておく。

 

 読むだけで気持ち悪くなる人もいるかもしれないので詳述は避ける。はっきり言って精神状態を疑うレベルの暴力描写である。中高生が、猫の首を切って門柱に曝したら異常を疑うだろう。私にはこの監督の感性はその段階にあると思える。大人なんだから逆にもっと心配だ。 

 

 

 あまりに残酷な殺人のシーンはこれ、表現の自由という範疇で守られているんだろうか。

 

 

 

 以下 『世界はなぜ地獄になるのか』(橘玲)2023年8月小学館新書 から引用

 

 2013年1月に東京・森美術館で開催されていた個展『会田誠 天才でごめんなさい』に対して、「ポルノ被害と性暴力を考える会」から、一部の展示作品が「残虐な児童ポルノであるだけでなく、きわめて下劣な性差別であるとともに障碍差別」であるとして、「女性の尊厳を著しく傷つける諸作品の撤去」を申し入れる抗議文が出された。

(略)

 とりわけ問題となったのは「犬」と題された連作で、四肢を切断された全裸の美少女が、鎖のついた首輪をはめられ、犬のようなポーズをとっている。

 市民団体は会田のこれらの作品に対して、以下のような批判を行った。

 1.作画によるあからさまな児童ポルノであり、少女に対する性的虐待、商業的搾取である。

 2.少女=女性を全裸にしたうえで四肢を切断し首輪をつけて犬扱いすることは「女性を最も露骨かつ暴力的な形で性的に従属させ、人間以下の性的玩弄物、性的動物として扱う」ことである。

 3.これらの作品は、「四肢欠損などの身体障碍者」に対する差別と侮蔑の行為である。

 4.森美術館のような公共性をもった施設が、こうした「二重三重に差別的で暴力的である諸作品」を展示することは、「このような差別と暴力を社会的に公認し、それを積極的に正当化することであり、社会における少女の性的搾取、女性に対する暴力と差別、障害者に対する侮蔑と差別を積極的に推進する」ことである。

(以下略)

 

 

 これは美術館で展示された「芸術作品」に対する「残虐な児童ポルノ」であるとの批判である。これをこの映像作品である「サンクスギビング」に置き換えてみようか。

 

 1.映像による極端な残虐行為の描写であり、人間の尊厳に対する挑戦である。かつこれを商業的営利の目的となすことは、およそ人倫の道に反したものであると言わなければならない。

 2.一部の表現は不当にゴミ回収業者、チアリーディング、調理師等の活動に回復不能な印象の毀損を与えるものであって、これらの業態に従事する者に対する差別と侮蔑の行為である。

 3.一般大衆に娯楽の場を提供する映画館という施設が、かかる暴力的、反倫理的映像作品を公開することは、「このような暴力と侮蔑を社会的に公認し、それを積極的に正当化することであり、精神の成長途上にある青少年の健全な発展に多大の害をなすものである。」

 4.R-15指定により前項の危険は回避しているとの申し開きが予想されるところ、その限りにおいて正当化を否定するものではない。しかしながら、本作品の程度にあっては、青少年にとどまらず一般成人においても受ける不快感は受忍限度を越えているものと認定され、自ら料金を払って自発的に劇場に入場し、もって鑑賞に及んだからといって、その精神的ダメージを含めて包括的に許諾したものとは認められない。

 

 ちょっとした言葉遊びで冗談です。

 

 でも、それくらいひどい作品だということを強く言いたい。一部にかような映像のマニアがいるのはやむを得ない。であれば、特定少数の公開にとどめていただきたい。映画館という、自らの意思で事前に料金を払って閉鎖空間で鑑賞に及ぶことは、「不特定多数ではない」という論はたぶん成り立たない。わいせつ物陳列罪は映画館でも成立するはずだからだ。ヴァイオレンス表現も同様ではないか。

 

 昔はこういう類の映像はひっそりとキワモノ扱いだったはずだが、今は堂々と一般の映画館で公開されているのだね。私個人の過剰反応なんでしょうか?

 

 

 日本のサスペンスドラマと一緒で、一番犯人らしくない感漂わせていた人物が犯人だった。日本だと俳優のネームヴァリューでもっと早くバレただろうな。おいらそれほどハリウッド俳優に詳しくないので。

 

 胸糞悪いんで、キャスト、スタッフとも省略。主役の女の子がシンディ・クロフォードにちょっと似てた。

 

 来年続編があるらしい。もちろん行きません。