2023年10月11日


【黒松白鹿 純米もち四段仕込み ひやおろし】

 「ひやおろし」とは、春先に絞ったお酒を夏の間熟成させて秋に出荷する日本酒で、熟成の旨味と丸みあるまろやかな味わいが魅力である・・らしい。日本酒は通常は絞った後と出荷前に火入れを行うことで、香味が落ち着いて口当たりがまろやかかになるんだそう。これに対し「ひやおろし」は、あえて2度目の火入れは行わないことで、生の味わいも堪能できるというところが売りである。絞った後一度火入れをして貯蔵し、出荷前には火入れをしないという意味で、「生詰め酒」の一種であると考えていいのだろう。ちなみに「生貯蔵酒」は、絞った状態で(生で)貯蔵し、出荷前に一度火入れをするタイプのお酒をいう。貯蔵技術の発達により、一度も火入れしない状態で出荷される「生酒」も最近はポピュラーになった。どれがいいかは飲み比べるしかない。

 

 白鹿は亡き父の愛飲する酒であった。父は私のような意志薄弱者ではなかったので、いったん銘柄を決めたら変えることはほとんどなかった。ビールはサッポロ、日本酒は白鹿である。自分の母親の実家が地元ではそこそこの造り酒屋であったにもかかわらず、そこ(下村酒造)の酒は口にしているのを見たことはない。まずほとんどの場合、燗をつけて嗜んでいた。

 

 左のグラスはボヘミアングラスである。ヴェネツィアングラスと区別がつかない。もちろん日本酒用ではなく、ワイン用だろう。

 

 

【キリンビール クラシックラガー】

 キリンはいまや「一番しぼり」がメインブランドらしく、店頭でみかけるのは圧倒的に一番しぼりである。私は実はクラシックラガーの苦みがけっこう好きで、クラシックラガーがレストラン等外で飲む機会がないのが残念である。

 

 実は、この写真はそれよりもビアマグがメインである。チェコ在住時に、初めて買ったのはどこか忘れたが観光地に出かけてビアマグを買った。日本の観光地で地名や旧跡のデザインされた食器など買わないが、一度買ってしまうと次もそろえてみたくなる。というわけで我が家にはチェコの名所のビアマグが10くらいある。

 アメリカ在住時にスベニアスプーンを100数十本買い集めたのよりはましだ。スプーンは処分をどうしようか悩んでいるところだ。

 

 で、このジョッキに描かれているのは、チェコで最も美しい城館と言われるフルボカー城。プラハからほぼ真南の方向に車で2時間程度の場所にあるチェスケー・ブディエヨヴィツェの郊外の町( Hulboka nad Vltavou ジョッキに書いてある文字)にある。城は観光客向けに公開されているのはもとより、結婚式等にも利用可能である。私がチェコにいたころ、音楽留学生の日本人が、たしかここで結婚式を挙げたように記憶している。

 

 チェコは主だった町ではビールが醸造されていて、いわばチェコのビールは全てが地ビールである。このチェスケー・ブディェヨヴィツェの地ビールが "Budweiser Budvar" でチェコ全土で愛飲されている。実はアメリカのバドワイザーの名前はブディェヨヴィツェのこのビールに由来しているのだ。

 後にチェコのこのBudvar社とアメリカのバドワイザー(アンハイザー・ブッシュ・インペブ社)で商標権の争いとなり、チェコが勝った・・はずだが、その条件が「アンハイザー・ブッシュ・インペブ社はチェコ国内でBudweiser を名乗ってはならない」というものだった。

 

 そりゃチェコ人がいくら世界でダントツにビールを飲むといっても、世界のほかの国全てを相手にしては勝ち目がない。今でもアンハイザー・ブッシュはチェコ及びヨーロッパの主な国ではバドワイザーは名乗れず、商品名は BUD であるものの、本家であるはずのチェコBudvar社がチェコ以外でバドワイザーを名乗れないのは残念なことである。

 

 

 

【加茂錦 吟醸 越後仕込無濾過酒】

 加茂は新潟と三条の間にある町。加茂錦は荷札酒とか米袋に詰めた包装(写真)とか、若い経営者が新機軸を打ち出して頑張っておられる。

 「無濾過」は濾過すると味も抜けるので精密濾過をしないというわけで、色も少し黄味がかっている。

 吟醸香がさわやかに感じられる。味わい深く飲みました。次は純米吟醸をやってみたい。

 

 

 【マイセン】

 これもワインはどうでもよくて(サントリーが輸入しているフランスワイン)、右のカップのことを語りたい。

 これはチェコからドイツに少し入ったところにあるマイセンで買ったもの。そう、あの磁器で有名なマイセンの直営工場で買ったもの。そこの製品で最も安い価格のもので、私は歯磨きのうがい用に使っている・・ウソ。

 これはサイズからいって、どちらかと言えばビール向きかもしれない。

 マイセンは日本へのお土産を買いに何度も行った。プラハから車で3時間くらいだったか。お土産用にはもう少し値の張るものを買ったが、自分用には結局これを二つ買っただけで、我が家にはマイセンはこれしかない。少し残念な気もする。

 

 

 

  昼酔ひて夜迎へ酒 老いの楽