2023年9月29日

 

 公開初日に行ってきた。

 

 原作の漫画は以前に読んだが、なにぶんずいぶん前のことゆえそれほど内容を覚えているわけではない。ただ、映画を見る前から、2時間程度の映画で終わるストーリーじゃないよな、という頭はあった。

 

 案の定これはほんの序章。どうやら「キングダム」のパターンになるようだ。大沢たかおだし。んふっ。

 だいたい大沢たかお扮する海江田のセリフが最初のうちは英語が大半で、あまり大沢のよさが生かされてなかったように思う。プロデューサーとしても名を連ねる彼としては、この辺はどういう意図だったのか。

 おまけに最近の映画にはむしろ珍しく、背景音楽がやたらうるさい。緊張感を削いでいた。

 

 序盤たいくつでしたね。展開がまどろっこしい。早く「ヤマト」の独立宣言しないと話が終わらんぞ、と思っていたら、終盤でやっと戦闘国家ヤマトの宣言が出てきた。

 

 さて、今後何篇くらい費やしてこの物語にけりをつけるつもりかな。何年もおつきあいしなきゃいけないみたいだ。キングダムと違って、こちらは原作の連載はもう終わっているからいつかは終わるだろうけど。ただ、原作がカバーしている時間はけっこう短期間ではなかったかな。何年もかけて撮影していると俳優たちが変わってしまう懸念はある。「バック トゥ ザ フューチャー」シリーズみたいに、最初にまとめて撮って公開を順次ずらしていくというアプローチの方が賢かったかもしれない。

 

 いや、でも期待してますよ。んふっ。

 

 

 
【キャスト】
◆海江田 四郎(日本初の原潜シーバットの艦長):大沢たかお・・凛とした風情がとても似合っている。
◆深町 洋(海自の潜水艦 たつなみ艦長):玉木宏・・大沢と対照的に熱い艦長もこれまたよし。
◆竹上 登志雄(内閣総理大臣 気弱でリーダーシップをとれない日本国首相):笹野高史・・総理大臣役。ご本人もインタビューで感慨深げに語っておられました。「あつい現場で『総理』などと呼んでいただき、この上ない幸福でございました」。
◆山中 栄治(シーバット副長):中村蒼
◆速水貴子(たつなみ副長):水川あさみ・・原作漫画ではこの役は男性。といっても漫画連載は1996年に終わっているから時代は変わる。海上自衛隊ではすでに女性の艦長がいる。
◆南波 栄一 (たつなみのソナーマン):ユースケ・サンタマリア・・この俳優あまり好きではなかったのだが、この役ははまっていた。
◆海原 大悟 (内閣参与 影の総理):橋爪功・・いつもはほとんど演技してないかのようなうまい役者さんだが、この映画では演技過剰。どうした⁈
◆海原 渉(海原大悟の息子 内閣官房長官 ) :江口洋介・・この人いまひとつ役にめぐまれない印象。いまだに「東京ラブストーリー」のイメージが強いと言ったら怒られるか。 
◆市谷裕美(ニュースキャスター):上戸彩
◆入江蒼士(海江田、深町と同じ艦に乗艦していた際に海難事故により殉職):中村倫也・・当代随一の人気俳優としてはもったいない使い方のような。
◆曽根崎仁美(防衛大臣):夏川結衣・・これくらい腹を据えた防衛大臣がほしい。
◆影山誠司(外務大臣):酒向芳・・私この俳優さん好きです。この映画では、亡くなった演出家の蜷川幸雄氏をいい男にしたような雰囲気だが、変質者的な怪しい男を演じるとまたそれが気持ち悪い。
◆ローガン・スタイガー(米太平洋艦隊司令官):アレクス・ポーノヴィッチ
 
【スタッフ】
◆原作:かわぐちかいじ「沈黙の艦隊」(講談社「モーニング」)・・多数の作品を手掛けているようだが、私が知っているのはこの後「ジパング」と「空母いぶき」くらい。
◆監督:吉野耕平 
◆脚本:髙井光 
◆音楽:池頼広
◆主題歌:Ado「DIGNITY」(ユニバーサル ミュージック) /楽曲提供:B’z
◆プロデューサー:松橋真三 大沢たかお 千田幸子 浦部宣滋 
◆協力:防衛省・海上自衛隊 
2023年 東宝 上映時間 113分
 
 防衛省と海上自衛隊の全面協力による映像は迫力があった。続編に期待。