2022年10月28日

ドキュメンタリー映画 「プリンセス・ダイアナ」(2022年イギリス)

原題 ″The Princess"

監督;エド・パーキンス

制作;サイモン・チン、ジョナサン・チン

 

 

 本日公開のドキュメンタリー映画 “プリンセス・ダイアナ” を見てきた。先日フィクションの方を見てきたばかりなので、対象的というか、淡々と映像が流れるだけの映画だった。ナレーションは一切なしで、一部はパパラッチによる写真、動画で繋いでいくのみ。主観的な描写はないものの、どちらかと言えばダイアナの立場に寄り添っていたかな。

 300年か400年経ったらこの時代の英国王室はどう評価されるのだろう。チャールズ国王などヘンリー8世なみに、自分の不倫関係を棚に上げて、12歳年下の若い美人の妃をいじめぬいて死に追いやったとでも書かれるのか。そうするとダイアナはさしずめアン・ブーリンというわけだ。下にリブログした映画「スペンサー ダイアナの決意」のメタファそのものではないか。

 エンディングがZARDの坂井泉水の歌声(Forever you)だったのが驚いた、というよりかなりの興醒め。日本版と表示が出たので日本での公開限定のようだが意図がわからない。坂井泉水の声って意外にキンキン声で、アイドル声と言って間違いではない。この映画の観客層と合うとは思えない。若くして亡くなった後も人々の心に残る女性という共通項で、無理やりコラボさせたと見える。安直だ。

 王室のメンバーだった人のドキュメンタリーがかくも簡単に商業ベースで公開されることに驚く。日本ではあり得ないだろう。開かれた王室の姿勢は一定の成功を収めたと言えるが、結局パパラッチの過剰な追跡が事故の大きな要因だったことを思うと、それなりの制限はあった方がいいと言う気持ちにもさせられる。

 ハリウッドの大作以外の欧州系映画が得意な千葉劇場。いつも4~5人の観客しかいないのに、今日は数十人も入る大盛況で驚いた。平日昼間だから爺婆が大部分なのは当然としても、9割超が婆だった。実は6月にも同じ千葉劇場で、ドキュメンタリー ”エリザベス 女王陛下の微笑み” を見たのだが、まるで覚えていない。今日の ”プリンセス・ダイアナ” もたぶんそうなる気がする。どちらにしても劇場のスクリーンで見る価値はないな。といって、配給がSTAR CHANNEL MOVIESだから、私が契約しているケーブルTVのWOWOWではやらないということを意味する。だから見ておいてよかったかと聞かれると・・そうでもない。