How are you? が怖かった私
私と兄は子供の頃から性格がまるで正反対でした。兄は生まれながらの社交マスターで、どこに行っても遊びに出かけても一瞬で誰とでも仲良くなれるタイプ。一方の私はというと.... オーストラリアの陽気すぎる文化に適応するどころか、笑顔の多さに圧倒されて固まる始末。誰よりも人見知り。例えば、学校帰りに母とスーパーで買い物していると、オージーの友達がわざわざ駆け寄ってきて、『ハローゆゆBee! How are you?』とキラキラの笑顔で声をかけてくれます。母と兄はその笑顔に反応して、これまたキラキラの笑顔で「ハロー!」と元気よく返事。でも私は、笑顔を作るどころか、友達の顔を見ずにうつむいたまま『Im....グッ good』とボソッとつぶやくだけ。それだけならまだしも、オーストラリアのスーパーの店員まで「How are you today?』と声をかけてきます。それがもう1人や2人じゃないんです!通りすがりの人も、公園で遊んでいる人も、みーんな『ハロー!』の次に『how are you?』と話しかけてくる。正直、挨拶だけでエネルギーを使い果たしそうでした。そこで私の究極の対策が、『ぐ!』。『グット』すら言い切らず、短く『ぐ!』とだけ返事をする超省エネスタイルです。これには母も限界を超えたようで.....。『ちょっと!タダなんだから!Im fine, thank you! せめて Im fine! くらい言いなさいよ!』と母が大声で怒鳴り始めました。『せめて友達が駆け寄ってきたら、無理してでも笑えー!』スーパーの真ん中でプチ演説に説教。私は『いや笑顔がそんな簡単にできるなら苦労しないよ。。。』と心の中でつぶやきました。結局、私は渋々『Im fine , thank you』を練習することに。でも、人見知りにとってこれは「カラオケで初めてマイクを握る」くらいのハードルの高さ。どうしても恥ずかしいし、自然に笑顔なんてできません。しかし、不思議なことに、今では犬の散歩中にすれ違う人に自分からニコニコしながら挨拶をする私がいます。「あのまま練習をしなかったら私はずっと『ぐ!』のまま」と思うと、母のスパルタ指導も悪くはなかったな、としみじみ思います。