六堡茶の「桂青種」について | 船橋市茶文化資料室

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90年代の「中茶・六堡茶」

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六堡茶の「桂青種」について

六堡茶の茶樹品種として近年「桂青種」という品種名をよく見かけます。さらにこの「桂青種」は歴史が古く香りがよいと言い、「桂青種」で作られた「六堡茶」はかなり高値で売られています。この現象について『中国六堡茶』の著者、彭慶中が最近動画で、かなり強い口調で警鐘を鳴らしました。彭さんによると、「被疯传的六堡茶桂青种根本不存在!」(巷で噂をしている六堡茶の品種、「桂青種」は存在しません!)

私も『広西茶業史』を読んだ時、「広西の茶の品種」の章に「桂青種」がなかったことに気づきました。もちろん広西の各地に在来種があり、六堡茶の主要産地も在来種があります。その在来種は「桂青種」であると唱える茶友(または茶店)も多いようです。これについて彭さんの動画も「桂青種不能混同于群体种(在来)」と言いました。六堡茶の品種についてはかなり狭い分野の話ですが、日本でも「桂青種」を紹介したりするサイトを見かけたことがあります。「桂青種」という言葉を使う時は要注意だと思います。今朝も「桂青種六堡茶」の商品をみかけました。中国茶市場は魚目混珠(玉石混交)のことがしばしばあるので、これは正しい知識なのか、それとも、ただ商売のための作り話なのか、常に注意深く観察しなければならないと思います。

 

~ If you know the way broadly,you will see it in everything  —Miyamoto Musashi~